2024.10.27
深めるかなさんは、再発や転移のリスクも考え、子宮を全摘する手術を受けました。
しかし、辛く、厳しい日々が終わったわけではありませんでした。
退院してしばらくは、月に2回のペースで、術後の経過を確かめる検診を受けました。その後、間隔を置くようになったものの、受診のたびに、再発や転移に怯えたと話します。
「手術から8年が過ぎて、今は通院は1年に1回になったんですけど…最初は1か月に1度や、3か月に1度だったので検診に行くたびに、やっぱりドキドキしていました」
子宮頸がんを発症する女性は、年間1万人以上。毎年3千人ほどが命を落としています。30代や40代の子育て世代の発症が多く"マザーキラー"とも呼ばれる病です。
ただ、早期の段階では自覚症状が現れにくいことも子宮頸がんの特徴です。
育児や仕事に追われる日常の中で、“どうもおかしい…”と不調を感じ、受診したときには、すでに手遅れというケースも少なくありません。
「何かこれは明らかに違う、絶対に病院へ行かないと駄目だと思って行ったんです。定期健診にもうちょっと早く行っていたら、子宮の全摘出は免れたんじゃないかとは、すごく思います」
足首などがむくむリンパ浮腫は、手術の影響です。
子宮の全摘出に伴ってリンパ節を切除したため、リンパ液の流れが滞るようになって右足に浮腫が起き、手術から9年が経ったいまも、かなさんを苦しめています。
日に日に左足と太さが変わっていく右足を見るのが「本当に辛い…」と言います。
「本当に、何かが起こって左足のサイズに戻ってくれないかと毎日思っているんですけど、薬を飲んだら、腫れが引くとかいうものでもないし」
手術前までは、タイツの締め付けが苦手だったかなさんですが、「もう嫌だとか、そんなレベルじゃなくて…これ以上よくはならないので、悪くならないようにしていくしかない」と現状を話します。
「すごく苦しい病気だし、本当に後々まで引きずるというか…女性としての自信もなくすというか」
■「正直、戸惑った。でも…」こころが男性どうしのふうふが、授かった命 【忘れないよ、ありがとう①】