は~いみなさん、ごきげんよう!
秋になると口紅だけダークカラーにしがちな女装子・満島てる子です。
シーズンによって服装だったりメイクだったり、やってる人はきちんと全部変えてて偉いわよね。
でもさ、いわゆるトレンドってやつ、移り変わり激しすぎない?
あたしはずぼらの極み乙女なので、「そんなの毎度ついてけねえわ!怒」と、鬼の形相でいつもの服と化粧にしちゃいがちです。ルーティーン上等!
ただ、自分が「秋だなぁ」と感じたときに、口紅だけでもいいからその気分に合わせて色つけたりすると、テンション上がるよね。
そんな風にときどき自分の顔で遊んだりしながら、季節を楽しんだりするの、少し気に入ってます。
なんて言ってたら、今回は “見た目”をテーマにしたお悩み が来てるみたい。読んでみようかしらね。
「自分の容姿に自信がありません。目も小さいし、太っているし、身長も小さいし…どうしたら自分のこと、好きになれますか」
あらぁ、ちょっとぉ。今回もだいぶと根深そうなお悩みね。しかも、いろんな人の闇を引きずり出しそうというか…。
だって、きれいごとに聞こえちゃうかもしれないけど、容姿に100%自信ある方、あたし会ったことないもの。
きっとこれを読んでいる全員に刺さるお悩みなんじゃないかしら。
(普段から「あたしって本当かわいいでしょ⁈」とかドヤ顔してる奴もいるけどさ、
ベロベロに酔ってくると「実はえげつない”出べそ”で…」とか漏らし始めて違う意味でかわいいのよね。
え?そんな性悪な人間観察しないって?こりゃまた失敬)
パーツだったり、体型や背丈。成長期の変化だったり○○デビューなんて作戦もあったりするけれど、
からだの造形というか見てくれみたいなものって、生まれた瞬間から多分死ぬまで周りにごちゃごちゃ言われがちだし、
そのせいで自分でも気にするようになっちゃいますよね。あたしの場合も、小学生から大人になってからもずっと、あらゆる部分がコンプレックスまみれでした。
特にこれって「モテ」と結びつき始めたりすることもあるから、本当にめんどくさい。
こういうのが「かわいい」「イケてる」って頭でわかってても、自分をその通りの外見にもっていけるわけじゃないし。意識しなくてもモテてるやつが目の前にいたりすると、やり方わかんない中でも努力してる自分がバカバカしくなったりして…。 んがあああ! 色々記憶よみがえってきたゾ!やっぱあいつ腹立つぅぅぅ!
…やだやだ、相談乗る立場のはずなのに、あたしの闇がダダ漏れるとこだったわ。笑
非モテ女装の話はさておき(マジで誰かいい人紹介して)、思わず自分語りがヒートアップしちゃうぐらい共感できるこのお悩み。
投稿者さんの内面にも思いを馳せつつ、お応えしていきたいと思います。
まず、ちょっと考えてみてほしいことがあるんだけど、
おのれの容姿に持つ自信って、実はいろんな種類がある気がするの。
もちろん人間はどんな意味であれ、自分のことを見た目から気に入りたいって願い、常に持っているものだろうけれど…。
その“見た目”って「誰から見てのものなのか」が割とポイントだったりしない?
そう思うと、です。
いろんな手段を使って、今の相談者さんの理想とする“自信”を身に着けたとしても、
例えばその“自信”の根拠が「周りによく見られているから」ってとこにあったとしたら、
その自信を維持するためには、きっと一生「周りが自分をどう見ているか」を気にしなきゃいけなくなるよね。
周囲の求めるものが変われば、きっと揺るがされちゃう。
冒頭の話じゃないけど、トレンドを追い続けるのと同じく、せわしない人生になっちゃうんじゃないかって思うのよ。
もし今頑張って目を大きくしても、「小さい方がかわいい!」って時代が来るかもしれない。
体型も背丈も一緒(つけまゲジゲジみたいになってた時代があったのって今の若者たち知ってんのかしら。ファッションって奇々怪々)。
もちろん、流行りに乗ってる快感ってあるだろうから、それを全力で楽しめる人ならいいの。
でも、もしちょっとでもそこに疲れを感じるタイプだとすれば(あたしそうなんです)、
「周り」は捨て置いて、自分が自分で見てワクワクするような恰好をみずからちょっとずつ作っていくのも、
種類は違えど一種の“自信”を育てる確かな方法なんじゃないかなと思います。
この作戦だと、すぐに「自分大好き!」とはなれないかもしれない。
でも、お気に入りの服だったりメイク道具だったりを眺めてる時って、それだけで楽しくならない?
「他人受け悪いけど、このアイシャドウ付けてるときなんか無敵かも!」 って感覚も、あなたの心を強くしてくれるでしょう。
そんな気持ちや経験を、小さいものでいいから積み重ねていくと、きっとそこにしっくりくる自分が現れてくるはず。
誰が見てようと見てなかろうと輝いてる“自信”を、投稿者さんが手に入れられるよう祈ってます!
いやぁ今回のお悩み、取り組んでる最中になんか自分が女装にハマった理由を再確認しちゃった…。笑
ゲイとして「モテる」見てくれかどうかっていうの忘れて、バッキバキのアイラインを引きギラギラのドレスを着て、
ドラァグクィーンとして踊ってた時間が、20代のあたしを救ってくれていたのよね。
15センチヒールで8時間、ほぼぶっ続けでクラブのステージに立ってた頃が懐かしいわぁ(血豆まみれになんのよ)。
好きな格好で好きなこと、思いっきりしていきたいものですネッ。
それではみなさん、Sitakkeね!
文|満島てる子
(オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。)
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