2024.09.27

育む

「はやくしなさい!」つい言っちゃう大人にグサっとくる…子どもの気持ちを代弁した泣ける絵本

子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。

先日まで札幌市の中央図書館で、「大人にも読んでほしい絵本」が展示されていました。
“大人に絵本ひろめ隊員”の私としては、見逃せない展示です!

『100万回生きたねこ』などの名作も並ぶ中、私の目に留まった一冊は、可愛らしい“ブタ”が表紙に描かれた絵本でした。

軽く笑える内容を想像して開いてみると…、まるで今の私を描写したかのようなリアルな育児のようすが、“子ども目線”で表現されていました。

これは、思いがけずグサッと心に突き刺さる……。
子育てに関わるすべての人にぜひ読んで欲しい絵本です。

『コブタの気持ちもわかってよ』(幻冬舎)作・小泉𠮷宏

私が図書館で借りたものはベネッセからの出版でしたが、こちらは絶版となり、現在は幻冬舎から復刊されているようです。

表紙には、白い背景の真ん中にたたずむ、寂しげなコブタが一匹。
おそらくコブタは、小学校低学年くらいのお兄ちゃん。

コブタは、周りの虫や花を見たいのに、「早く歩きなさい!」と言われて残念なようです。

せっかくできるようになった逆上がりを報告したのに、聞いてもらえなくて寂しいようです。

大きな声で泣き始めたら、「泣くな!」と言われて、悲しみを吐き出す場所がなくなり、困っているようです…。

「お兄ちゃんなんだから」
「早くしなさい!」
「こんなことで泣かないの!」
「いま忙しいの」

子育て経験のある人なら、つい口にしてしまったことのある、ドキッとするような言葉ではないでしょうか。
恥ずかしながら、我が家では日常茶飯事で飛び出すワードです。
特に、長男(5歳)に対して……。

思い返してみると、二男が産まれて以降、長男には色々と我慢させることが多くなってしまっています。

例えば、長男が一生懸命作ったブロックを二男に壊されて怒っているとき…。

私が「そんなの仕方ないでしょ。」と言ったことがありました。

長男は黙って違う遊びを始めました。

こんなとき、「せっかく作ったのに、壊されて悲しいよね。でもちゃんと見たからね!」など、もう少し長男の心に寄り添った発言ができたかもしれません。

弟(1歳7か月)の手を握って遊んであげる長男

悔しい思いをしながらも、大好きな弟のお世話を積極的に手伝ってくれる、心優しいお兄ちゃん。
そんな優しさを、ちょっとしたことで壊してしまう可能性があるかも……と猛省。

コブタの絵本のおかげで、立ち止まって大切なことに気づくことができました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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