2024.08.30

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【函館】光と影、今と昔が交錯する「朽ちていく美」の異世界。

退廃の中にある、はかない美しさ。そしてその美しさが生み出す異世界の風景。まず今回の特集の冒頭は、「朽ちていくもの」が主人公の異世界をご覧いただきたい。

津軽海峡をはさんで函館山を望む竜飛岬。そのすぐそばに残されていた『サンライズ食堂』の建物跡。

撮影者はフリーの3DCGデザイナー・フォトグラファーの計良元宏さん。1990年代から東京を主戦場に建築パース(建造物の立体完成予想図)を中心とした3DCG制作に始まり、専門書のカバーデザイン、広告写真の撮影など幅広い仕事を積み重ねてきた。

計良元宏さん。「撮影するときにいつも意識するのは空の色。少しどこか不穏な雰囲気が出ている、おどろおどろしい空模様のタイミングで写真が撮れたときは、正直『やった』と思います(笑)。この方が異世界感がありますよね」。

函館市出身で、中部高校を経て京都の立命館大学に入学。卒業後に上京して玩具メーカーの誘いを受けて就職。茨城県にある主力商品の製造工場に赴任し、20年勤務した。
40代前半で退職後、ふたたび東京へ。プロカメラマンの中島不二夫に師事し、アシスタントを務めながら3DCGを独学で勉強。フリーの立場で一般住宅やマンションの建築パース制作の仕事を引き受けるようになった。

同時に写真撮影の技術も磨き、3DCGの造形物(景観)と実写の女性モデルを合成させたオリジナル作品を発表。それがエプソン主催のコンテストのほか数々の賞を獲得し、やがて写真撮影も仕事になっていく。

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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