(この記事は、2024年4月に配信した記事の再配信です)
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「生理が始まってどうしよう、ってなったんです」
2011年、東日本大震災。入隊1年目の女性海上自衛隊員が、被災者からかけられた言葉です。
現場にいた女性隊員はわずか。「だからこそ“女性視点”での支援がとても大切だと感じた」といいます。
災害時に、生理が来たら?
妊娠中や、小さな子どもがいるときに備えておきたいことは?
元海上自衛隊のイラストレーターが描くマンガを通して、「“女性視点”での防災」を考えます。
( 前編・後編のうち前編)
北海道在住のイラストレーター・ヤマモトクミコさん。
ヤマモトさんは海上自衛隊に10年ほど勤めてから、出産を経て、イラストレーターになりました。
入隊1年目に東日本大震災の支援に従事。
護衛艦に乗り、炊き出し、救助者の支援、燃料や真水の提供、救助者や遺体の捜索など様々な支援にあたりました。
災害時、命と「こころ」を守るために何ができるか。
マンガで防災の知恵を発信しているヤマモトさんに、自らの経験をもとに考えるポイントを聞きました。
東日本大震災の当時、護衛艦の乗組員で女性はほんの一握り。全体の1割を切るほど少数だったといいます。
女性の被災者の支援をすることが多くあったというヤマモトさん。主に担当したのは、「入浴」と「トイレ」の支援でした。
当時の艦内は、女性用の浴室やトイレは少なく、「充実している」とはお世辞にも言えない環境だったといいます。
艦内は、突起物や障害物がたくさんあり、迷路のようです。
けがをしないように、トイレや入浴所まで案内し、一緒に行動しました。
被災者から話を聞く機会もよくありました。被災地のこと、不安なこと、艦内で支給されたおにぎりがおいしかったこと……
中でもヤマモトさんの印象に残ったのは、「生理用品」 のことだったといいます。
「生理が始まって、どうしようってなっていたんです。でも、支援物資にナプキンがあって本当に助かりました!」と声をかけてくれた人がいたのです。
ヤマモトさんは、「きっと護衛艦の乗組員で、私が数少ない女性ということもあり、声をかけてくれたのだと思う」と振り返ります。
米軍からの支援物資で、歯ブラシなどの衛生用品や生理用品が届いていました。
「支給されないよりはマシ」かもしれません。でも、支給品のナプキンと、普段使用しているものとは使用感が異なるケースが多いのです。
■【後編】災害時に、生理が来たら? 妊娠中や、小さな子どもがいるときに備えておきたいことは|元自衛隊員が描く“こころの防災”#番外編①