2024.08.04
深める「接客にはある程度ノウハウが蓄積できたとは思っていましたが、経営に関してはまったくの素人。すごく迷いました。それでも娘2人を育てていくためには働かなければなりませんし、何よりこのお店が好きでした。足のサイズに関する悩みを抱えて、ここにたどり着いてくださったお客様のことを考えると、ちょっと頑張ってみようかな、と。私もこのお店に救われたわけですから」。
2019年10月、鈴木さんは経営譲渡を受け、SEVEN AND A HALFのオーナーに。独学で経営を学び、仕入れから接客、顧客管理まですべてを一人でこなす多忙な日々が始まりました。
しかし、一念発起して経営を引き継いだ鈴木さんに大ピンチが訪れます。
オーナーとして新しい年を迎えて間もなく、世の中は新型コロナウイルスのパンデミックに陥り、北海道は全国に先駆けて緊急事態宣言下に。お洒落をしてお出かけすることはおろか、通勤すらままならない日常が始まりました。
「どこにも行けないのだから、靴なんてそもそも必要ありませんよね。お客様がいらっしゃらない、注文も来ない。数字の面では本当に大変で、夜中に目を覚ますこともありました」。
それでも、今できることをやろうと前を向いた鈴木さんは、「お店を忘れられないように、DMやメルマガを出しました。できるだけお客様の負担にならないような軽い感じで」と、努力を惜しみませんでした。
ピンチのときでも「お客様の負担にならないように」という言葉に、鈴木さんの人柄がにじみ出ています。