2024.06.08
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道 内各地に花柳界がございました。
現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ 名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や 文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いい たします!
「お化粧と着付けにはどのくらい時間がかかるの?」
これは私たちが聞かれる質問の中で、一番多いかもしれません。
皆さんが想像される日本髪や白塗りのお化粧、いわゆる“芸妓の姿”に変身することを 私たちは「お仕度(おしたく)をする」と言っておりますが、
答えは「ひとそれぞれです!」になってしまいます。笑
時間をかけて丁寧にお化粧をする方もいれば、手際よくパパっと済ませる方もいます。
今回は、筆者である“こと代の場合”、それぞれどのくらいの時間をかけているかをご紹介させてい ただきたいと思います。
お仕度の中で一番はじめに取り掛かるのがお化粧です。
下地として鬢(びん)付け油を丁寧にのばし(ここでムラがあると白塗りがのらなくなるので要 注意!)、水溶きおしろいをぬってからパフで広げます。
白い顔を作ってから眉毛を描いたり紅をいれたりするのですが、どの工程においても 少しでも失敗すると修正ができないのです。
デビューしたてでまだ慣れていない頃は、失敗して下地から全部やり直し...なんてこと もしょっちゅうありました。(思い出しただけでも焦ります!)
お化粧自体は、私は30分くらいかかります。
(出番前のお化粧直し。お姐さんのアドバイスをもとに調整することも多々あります。)
髪をネットでまとめてスポッ!とかぶるだけなのでこの作業自体はさほど時間はかか りません。簪も季節に合わせて選んだものをさします。
5分ほどで準備できます。
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