2024.05.01

食べる

【函館】「いつかの母の姿が重なる」どこか懐かしい“家庭の味、心の味”を求めて

家亭処 みうら(本町)

ネオンの灯りでギラついた本町歓楽街のど真ん中。そこに、少し場違いにも見える落ち着いた佇まいの店『家亭処 みうら』はある。

函館出身のおかみさん・三浦寛子さんいわく「ちゃんと数えてないけど、たしか今年の7月で30周年」以来、一貫して家庭料理をつくり続けてきた。そのルーツは母の存在だ。

「料理上手な人でね。魚の煮つけとか野菜のお浸しとかなんでも美味しいもんだから、そのおかげで食べることが好きになったのよ」

三浦さんは高校卒業後に上京して就職。その当時から稼いだ金は趣味の食べ歩きに費やしたとか。

席に座って、まず目の前に出てくるのは日替わりのお通し。それも「サービスだからどんどん食べなさい」と、惜しげもなく。
「採算?合わないわよ(笑)。けどお腹いっぱいになってもらいたいじゃない?」と一笑する。

日替わりのお通し3品。この日は子和え、煮しめ、わさび菜漬け。

一応壁にはメニュー表もあるが、リクエストがあれば極力応えられるよう食材を準備する。「一人暮らしだとたくさんの食材って食べられないしょ。野菜もいっぱい食べてほしいしね」

「銀ダラの煮付」(980円)

「刺身盛合せ3点」(1,000円)、そして活魚類のほとんどが1,000円以内という良心設定。

単身赴任で一人暮らしをしている常連も多いからと、健康のことも考えつつ多少のワガママにも応えて料理をつくる。その姿に母親の姿を重ねる客もきっと多いだろう。そんな大きな“子どもたち”のため、今宵も“母”は歓楽街の真ん中で優しい明かりを灯す。

【家亭処 みうら】
函館市本町3-2 七番街ビル1F
0138-56-7244

***
『peeps hakodate』vol,123「恋しい味。」より

peeps hakodate

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