2021.09.28

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アニメや2.5次元の「推し」のことが大好きな私。それっていけないことなの?【pickup】

は~いみなさん、ごきげんよう!

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実はこの8月が誕生月の女装家・満島てる子と申します。

思えば、人生のかなりの時間を北海道で送っているような気がするわ。
数えてみると早いもので、進学を期に三重から札幌にきて、今年で13年。
……って気が付いたら干支一周回ってんじゃん⁈震える……。

一人暮らしをはじめたころは、こんな四六時中化粧で過ごす30代を迎えるとは想像もしていませんでした。
いやきっと、誰だって自分がどんな30代を迎えるか、わからないまま大人になっていくものだとは思うんですけどね。

さて、今回はそんな私と同じ30代を生きる方から、なかなか深刻な相談が来たのでご紹介します!

今回のお悩み相談

『いわゆるオタクで『推し』が中心の生活をしている独身女子です。稼いだお金なども、生活費をのぞいては推しにつぎ込んでいます。が、先日、知人に「35歳にもなって、そろそろ現実を生きたほうがいいんじゃない?」と言われ、ショックを受けました。私はこのままではだめなのでしょうか。「現実」ってなんなんでしょうか。』

アニメ、漫画、ラノベにゲーム……本家を愛することはもちろん、ファンアートやコスプレも……。
2次元&2.5次元という、その身ひとりにとってはあまりに重き十字架を、みずから背負いし勇敢なる異端者よ。
ようこそ、この救済の地、Sitakkeお悩み相談ルームへ!←

近年でこそ割とポピュラーになった「オタク」という表現ですが、世の中になんとなく認知されるようになったからこそ、肩身の狭さはより複雑になっているのかな。
そんな風に感じるライト層のオタク、満島てる子がちょっと通りますよ。
(“ライト層”って言い方、各方面から失笑されそうで怖いッ!)

……いやね、オタクの人生って、ライトかヘビーかによらずとも、ジャンルすら超えて本当に困難が多いと思うんです。
あたし自身はというと、今となっては「わかってくれない人の意見はミュート」 と気楽に考えながら、自分の好き(あるときは好きなアニメor映画監督についての情報収集、あるときはメイク研究)を楽しめています。

でも投稿者さんのように、とある何かに惚れ込み「これは推せる!」と情熱を傾ける姿勢は、それこそ“オタクの鑑”と称えられてもおかしくないのに、例えば「そんなことしてる間に結婚を」等々、周りからきつい意見を投げられがちなはず。

今回は近しい人からの言葉だったからこそ、なおさらショックだったのかしら?
これを言われたときの気持ちを想像すると、「現実って、なに?」という悲痛な叫びが刺さるのよ……。
そんな投稿者さんや、きっと少なからずいるであろうこのお悩みに共感する皆さんを、ある意味「仲間」のように思いつつ、お答えするにあたり、大好きな映画『愛のむきだし』(2009年、園子温監督)より、まずこんな言葉を贈りたいと思います。

あたしなりのAnswer

自分の人生に悩むひとりのオタクなあなた、そして、自分の“好き”を揺るがされがちなすべての人へ。

――「愛を恥じるな。」

誰だってどんな大人になるかわからない。そんな話(というかほぼ愚痴/笑)を最初に書きましたが、
自分のどんな“好き”といつ巡り合えるかだって、同じぐらい計り知れないもの。

熱中できるものを見つけたとか、誰かのことが好きでたまらなくなったとか、それって本当に奇跡だと思うんです。推しができるなんて一種の極地よ。だから、まず自分の“好き”と出会えた事実に対して、これまでもこれからも、「ダメなんだろうか」と疑問を抱く必要はないと思います。

もちろん、今回「現実を生きた方がいい」って言ってきた投稿者さんの知人が、間違ってると主張したいんじゃないの。きっといろいろ気を揉んでのことなんだろうから。

でも、前回もお話しさせてもらいましたが、誰かにとっての“現実”(例えば結婚だったり、就職だったり)って、ほかの人にとっては“呪縛”にもなったりもするのよね。
だから投稿者さんが今一番リアリティを感じるのが、推しに“好き”を注ぐ生き方なのだとすれば、他人様の“現実”をお手本にする意味ってあまり無いんじゃないかしら。
自分の稼ぎは自分の好きに使っていいだろうしさ(推しへのお布施って最高の財産。異論は認める)。
「35にもなって」ですって?“好き”に年齢なんて関係あるもんですか。

なので。
投稿者さんの“好き”が本物ならば、周囲に認められるか否かに関わらず、その気持ち、これからも貫いていってください。
もちろん、オタクの顔だけがあなたの全てじゃないはず。ときに仕事人だろうし、ときに恋をしていることもあるかもしれない。“現実”ってブリリアントカットを施したダイアモンドみたいに、たくさんの側面があって複雑なんだけれど、だからこそいろんな輝きに出会うことができるのよね。
オタクな自分と、そうじゃない自分がぶつかることもあったりするかもしれないけれど……きっとそれも人生。
一筋縄じゃいかないこのリアルな世界を、一緒に生き抜いていきましょ。

まとめ

てなわけで、今回はあたしの“好き”も織り交ぜつつ、他人事とは言えない大事なお悩み、回答させていただきました。
ちなみに、あたし本当に『愛のむき出し』が大好きなんだけれど、この映画の中で「愛を恥じるな」ってセリフがどんな風に登場するのかについては、それこそ解説してるとこのコラム10本分ぐらいになっちゃいそうだから割愛するわね(でも無茶苦茶最高なシーンで出てくるし、全編通してすんごい映画なのよ)!笑

嗚呼、1日1本映画見てた学生時代が懐かしいなぁ……。
ではではみなさん、Sitakkeね!

文|満島てる子
(オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。)

***

過去記事一覧:てる子のお悩み相談ルーム

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Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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