2024.04.13

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2024問題は救急医療の“最後の砦”にも 患者のたらい回しも発生?現場で募る危機感

2024年問題は「物流」だけではありません。

救急医療の“最後のとりで”と言われる救命救急センター。

いま懸念されているのが「医療の2024年問題」です。

都市部も医師の余裕があるわけではない現状。

いわゆる“たらい回し”の患者が出る可能性も…。

地方の診療所でも、医師数の確保が難しくなるのでは…と不安の声が聞かれています。

医療現場の労働環境を見直す「医療の2024年問題」。

いったいどんな問題なのか?取材しました。

連載「じぶんごとニュース

2024年4月から、勤務医の時間外労働に上限が設けられました。

原則、年に960時間、月の平均で80時間に制限されます。

また、医療機関の管理者は、長時間労働が見込まれる医師に対する面接指導が義務付けられます。

これにより医療現場では、どのような影響が考えられるのでしょうか?

医療法人渓仁会の成田吉明理事長は「救急体制が非常にマイナスの影響を受けるのではないか」と心配そうに話します。

24時間365日、患者を受け入れている札幌市の救命救急センターです。

長時間勤務になりがちな救急科にシフト制を導入し、いち早く医師の働き方改革に対応しました。

しかし、実は救急医療を自分の病院にいる医師だけでまかなっているところは非常に少ないのだとか。

多くは大学病院からの医師の派遣で救急医療を維持しているというのが現状なのです。

手術や入院が必要な患者に対応する「二次救急」の現場では、外部から応援の医師を派遣してもらうケースが多いと言います。

札幌でも救急搬送の件数が年々増える中、残業の上限規制により、今後、医師の派遣を受けられない病院が出てくる可能性があります。

そうなると、対応できる三次救急の病院や、患者へのしわ寄せが心配されているのです。

手稲渓仁会病院の奈良理副院長は「そんなに現在も余裕があるわけではないので、応需困難症例、いわゆるたらい回しになるような患者さんが、多く発生する可能性はあると思います」と話します。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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