2024.04.10
みがく札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。
「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。
連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!
芸者衆は、常に季節の移り変わりを意識して生活しています。お座敷で踊らせていただく演目もそうですが、より分かりやすいのが私たちの「装い」です。ここ最近の札幌のように少しずつ暖かくなり春が近づいてくると、明るい色のお着物を意識的に着るようになります。
大きな舞台など、大人数で踊らせていただく場合は、一緒に踊る方との兼ね合いもあるので置屋のお母さんに決めていただきます。それ以外は自分で決めるのですが、「顔が明るく見えるよう、華やかな色味や柄のお着物を着る」「若いうちは明るい色のお着物を選ぶ」などというちょっとしたルールもあったりします。
入門したての頃はお姐さん方の落ち着いた渋い色味のお着物によく憧れたものです。笑
実は簪も季節によって変えておりまして、今の時期は赤い櫛を挿します。これが夏になってくると涼しげな白い簪に変わります。
お客様には、日本の美しい四季を、私たちのお衣装からも楽しんでいただければ嬉しいなと思います。是非、芸者衆の「装い」にも注目してみてくださいね!
~札幌芸妓の”こころ”を英語でひとこと~
In the spring, We try to wear a kimono with bright colors like pink, yellow and green. We would like you to feel spring from our costumes.
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連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)