2024.04.11
深めるとは言え、大学では実は、看護師になることになかなか実感がわかない日が続きました。そうした中で迎えた3年生の臨床実習で、ある入院患者に先輩の看護師と共に長く向き合うことになりました。そこで直接的な看護だけではなく、何気ない会話や一緒にいる時間を重ねて、「この患者さんに治ってもらいたい」という思いがどこからともなく湧いて来ました。そして退院の日に立ち会って、患者のうれしそうな姿を見た時、感じたことがありました。
「看護師の職業をおぼろげに自覚しました。達成感のようなものがあって、なぜか私もうれしかったんです」
そこから、看護と困窮者への支援が自分の中でしっくり結びつき、卒業論文はボランティア活動での調査を題材にして、「札幌市における生活困窮者へのメンタルヘルスに影響を及ぼす要因:社会的脆弱性(ぜいじゃくせい)と孤独感」と題して、書き上げました。
→前回【第5話】単純な話ではない ホームレス/ハウスレス~札幌発・生活困窮者の今と支援(第5話)伴走型支援で寄り添う留学生ボランティア
【第1話】さむないよ。家はない ホームレス/ハウスレス~札幌発・生活困窮者の今と支援(第1話)ホームレスもハウスレスも経て…(1)
【第2話】怖くて怖くて。 ホームレス/ハウスレス~札幌発・生活困窮者の今と支援(第2話)ホームレスもハウスレスも経て…(2)