「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、日常生活に役立つお天気情報の”見方”をHBCウェザーセンターがお届けします。
ここ最近の天気や気温について「北海道らしくないなあ…」とか、「昔はもっとあぁだった…」と感じることはありませんか?それは気象の統計データにもしっかり表れています。天気予報やニュースで見聞きする、「平年並み」「平年より高い・低い」という、お馴染みのフレーズ。これは「平年値」という数値を基準に、同じか・高いか・低いかを示しています。
平年値は、過去30年間の気象データを平均した値です。いわば基準となる”いつも”を表現する数値ですが、最近の”いつも”にあわせるために、10年ごとに計算し直されています。今年5月からは、1991~2020年の30年間の値に更新されました。
1981~2010年の平年値と比べてみると、様々な北海道の気候の変化が見えてきます。
北海道には梅雨はないことになっていますが、札幌の月ごとの降水量の新旧の平年値を見比べてビックリです!降水量の比較的少ない6月、7月ですが、前回の平年値と比較すると、とても増えていることが分かります。
この時期、本州方面は梅雨ですが、北海道にも南からの湿った空気が流れ込みやすくなり、以前に比べて、雨が多くなったと言えます。夏のはじめの北海道といえばカラッとした暑さが特徴でしたが、ムシムシ・ジメジメする日が増えたなぁ~と感じていた方、その感覚、当たり!です。
天気に恵まれ多くの人に祝福してもらえることが由来の一つとも言われる、ヨーロッパ発祥の「ジューンブライド」。北海道の6月は、「ジューンブライド」にもぴったり当てはまる気候とされていましたが、変わってきたようです。
街のスケートリンク化…ちょっと楽しそうに聞こえますが、そう言ってもいられません。
冬(12月~2月)に気温がプラスの5度以上になった日数を見てみます。
80年代は87日だったのが、この10年を見ると94日に!なんと...7日も増えています。
冬に気温が上がりやすくなることで、日中には雪がとけ、朝晩は凍ってツルツルに。
つまり、ツルツル路面が発生しやすくなります。スリップ事故や転倒事故も多くなる恐れがあります。
また、気温が高くなると雪の質も変わります。さらさらのパウダースノーではなく、湿った重たい雪が降りやすくなり、雪かきも重労働に。ビニールハウスの倒壊や、電線着雪による停電などの被害のリスクも高まってしまいそうです。
ほんの10年間、平年値の期間がズレただけなのに、これだけ北海道の気候に変化が起きている・・・
進む地球温暖化の影響と予想されます。将来へ住みやすい地球を残すためにも、ふだんの生活も考えていきたいですね。
協力:HBCウェザーセンター 気象予報士:児玉 晃
児玉 晃 予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。
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