いま、日本人の2人に1人が“がん”になる時代。
そんな中、ある“がんリスク検査”が注目されています。
いま、日本人の2人に1人が、がんになる時代。
なかでも北海道のがん死亡率は、3年連続で全国ワースト2位に。
がん検診を受けているのか聞いてみると…
60代:「全然受けてないです。食生活は気をつけているし、がんになったらなったで考えます」
70代:「あまり受けてないです 病気を発見したくないというのがあるのかな」
道内のがん検診受診率は、全国の平均と比べても、肺や胃など、どの部位も低い結果に。
そうした状況に、専門家は…
静和記念病院 神山 病院長:「がん検診によって早期発見早期治療に結び付くことが一番重要。大きな腫瘍を取るということになると手術が大きくなので、それだけ病気にかかる期間・費用も高くなる」
早期発見がカギとなる“がん”。
その新たな“検査キット”が、いま注目されています。
自宅で尿を採って送るだけで、“がん発症のリスク”がわかるという、「マイシグナル・スキャン」。
静和記念病院 神山 病院長:「がんに関連するものも含め、マイクロRNAは約2000種類ある。それを尿中で検出するという検査で、本人のリスクファクターと組み合わせてがんのリスクを検出する検査」
マイクロRNAとは、人の遺伝子の発現をコントロールする小さな物質のことで、がん細胞が増殖するときには、“がん特有のマイクロRNA”が放出されるといいます。
そのがん特有のマイクロRNAを尿から検出することで、“がん発症のリスク”がわかるというのです。
静和記念病院 神山 病院長:「体の中のすべてのがんが分かるということではない。これから新たなマイクロRNAが検出されると、がんの種類も増やしていける可能性はある」
次世代の“がんリスク検査”と呼ばれているマイシグナル・スキャン。
去年12月から、道内の一部ドラッグストアでも販売されています。
注目される大きなポイントが、複数のがんの種類のリスクがわかる点。
肺がん・胃がん・大腸がん・食道がん・すい臓がんなど、1度に最大7種類を判定。
共同研究を通して、確認された精度は約90%以上で、初期のがん発症のリスクも見つけられるといいます。
また、検査も簡単。
自宅で尿を採り、ラボ・研究所に郵送します。
AIなどで解析されたあと、約1か月で、検査結果表が自宅に届きます。
その手軽さから 現在、全国で600ほどの医療機関で、マイシグナル・スキャンを導入しています。
実際に検診した人も…
去年検診した 林さん:「尿検査のみですので、苦痛なく気軽に受けられた。たまたまリスクは低かったんですけど、仮に高い判定が出たとしても早期の治療に結び付くと思った」
がん検診には、市町村や職場が提供する「対策型検診」と個人で受ける「任意型検診」の2つがあります。
「対策型検診」は公的な補助金が出るので、無料か少額の自己負担ですみます。
一方で、マイシグナル・スキャンの費用は、6万9,300円。
任意型検診の位置づけになり、人間ドックなどと同様に全額自己負担になります。
尿でわかる“次世代のがんリスク検査”、その開発された理由とは!?
Craif小野瀬CEO:「祖母が大腸がんで亡くなって、その3か月後に祖父が肺がんになって…がんで人が亡くなることが、限りなくゼロに近づく無くすことを目指したい。医療の中心を治療から予防に移すことなのかなと思っていて、早く見つけて簡単に解決する、そんな社会に変革していきたい」
今月、岩内町でおこなわれた“がんの講演会”。
そこで、マイシグナル・スキャンを受けられる機会が設けられました。
受検した人:「尿検査だけで7種類のがんリスクが分かるなら、私にとってすごくよかった」
受検した人:「近くの病院に行っても検診する時間が掛かったり、何か月も待ったりする。やっぱり早期発見が一番大事だと思う」
いま“がん”の治療法も進化するなか、早期発見につながる検査方法も進化をとげています。
※掲載の内容は番組放送時(2024年3月21日)の情報に基づきます。