こちらも、美しい〝飛びモモ〟ですねー。
口にくわえているのは、エゾモモンガの大好物のひとつ、ハルニレの枝でしょうか?
このあと、外敵から見えにくい場所で、ゆっくりと枝についた〝冬芽〟を、横笛を吹くようにして食べるのでしょう。
シッポがねじれているのがわかりますね。
エゾモモンガは、長ければ50メートル以上の距離を、時速35キロくらいで滑空するのですが、そのときに、木にぶつからないように、クルマのハンドルの役目をするのが、このシッポ。
シッポを、まるで〝船の舵〟のように巧みにあやつって、森の中を自在に飛び回ります。
時には、倒れている木の下をくぐったかと思うと、再びギューンと上昇したり…その姿はまるで、ジェット機でアクロバット飛行をする、ブルーインパルスのようです。
このお写真のキャプションに「イナバウアーを習っておいて良かった…ウソです」とありました。
こちらに向かって飛んで来るエゾモモンガを、カメラでずっと追いかけていって、ついに自分の真上に来てしまったのでしょうね。
このお写真を撮っているときの体勢は、まさに〝イナバウアー〟…きっと真後ろに倒れんばかりに背中をエビ反らせて、撮影なさったのではないでしょうか?
その執念に〝大拍手〟を、お送りさせていただきます!!
さらに注目なのは、エゾモモンガが滑空しているときのヒゲの方向、です。飛んでいるエゾモモンガのヒゲが、進行方向に、ピンとそろって伸びているのがはっきりと写っています。普通なら、風の抵抗で、後方になびいてしまうのではないかと思ってしまうのですが、飛んでいるエゾモモンガのヒゲは、実はいつも、前に突き出されているのです。
エゾモモンガのヒゲは、どのような役割をしているのでしょう?
「風を感じるセンサー」のようなものではないかと想像するのですが、こればかりは確認のしようがありません。
月曜日にもお写真を紹介させていただいた、熱心なモモンガウォッチャーの @junsei_g さんから、以前にこんなご意見をいただきました。
「やはり風を読んだり障害物を察知したりするアンテナの役割だと思います。着地直前の全開時でもヒゲは前方に向いていましたし、木の上を走る時もヒゲは前に向いているので、アンテナ論に1票です(笑)」エゾモモンガのヒゲのヒミツをご存じの方、情報お待ちしております。
今週は、繁殖期まっただ中の、エゾモモンガ特集。
最終日は、3枚の連続写真です。
キャプションには、「びっくりモモ、にっこりモモ、ぺろりモモ…こんなに様々な表情を見せてくれたのは、初めてです」とありました。
ホントですねー、シャッターに合わせて、次々とポージングを変える、ファッションモデルさんのようです。
皆さまは、どの1枚がお好みでしょう?私は、〝ぺろりモモ〟かな?〝モモンガ祭り〟と呼ばれるモモンガの繁殖期が終わり、やがて春になって森が新緑に包まれるころ、モモンガの赤ちゃんたちは、おそるおそる巣穴から顔を出し、その数日後には母親の後を追って、夜の森を滑空することでしょう。
アイヌの人たちが、「アッカムイ」=子どもの守り神、と呼んだ、かわいらしいエゾモモンガの姿を、時折、かいま見ることが出来るような自然環境が、いつまでもこの北海道で続くことを、願わずにはいられません。
文:インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト事務局 / ami_papa
インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクトでは、フォローしていただいた方に、北海道の動物たちのかわいい写真を、月〜金曜日の毎日、インスタグラムで配信しています。