2024.03.18
深める札幌を拠点に活躍するイラストレーター/アーティスト・真吏奈(MARINA)さん。
描くのは、一瞬で目を奪われる、神秘的な作品の数々。
これまでにさまざまなポスタービジュアルや雑誌の挿絵等を手掛けたほか、海外のアートフェスへの出典・個展の開催など精力的に活動しています。
女性や自然、動物などをモチーフとした、極彩色のイラストたち。
そのルーツを紐解くと、真吏奈さんが「絵」に込める想いが詰まっていました。
小さなころは、あまり積極的な性格ではなかったという真吏奈さん。
「母がお題を出して、私が絵を描いて。例えばりんごとかを描いて見せて、母が上手だねって褒めてくれて。言葉よりも、絵を通してコミュニケーションを取るような子どもでした」
お母さんが喜んでくれることがとても嬉しかったといいます。それ以来絵を描くのがずっと大好き。
「中学では、ギャグっぽい漫画を描いてクラスの皆に読んでもらっていました(笑)。友達がストーリー、私が作画担当で、結構ウケて。卒業文集でクラスの女子生徒ほぼ全員の似顔絵を描いたりもしました」
自分の絵で周りの人が笑顔になるのが嬉しくて、「絵の仕事がしたい」と思うようになりました。
ただ当時はイラストレーターなどの仕事に現実味が持てず、絵心を活かせそうな道を考えて、デザインの専門学校へ進みます。
専門学校を卒業後はデザイン会社へ。
デザイナーとして多くのクリエイターたちと一緒に働くうち、「やっぱりイラストを描くことの方が、本当にやりたい仕事だと気づけたんです」。
1年ほど会社に勤めましたが、意思を固めたら即行動! と退職し、新たな道を歩み始めます。
まずは、知人のつながりでご紹介いただいた、イラストレーターのもとで勉強を初めることにしました。改めて絵を学び直しながら作品制作を続ける中で画廊を紹介してもらい、百貨店で絵を売ってもらえることになりましたが、絵だけで生活するのは簡単なことではありません。
「1点1〜2万円と、そう高値ではなかったこともあってか、売れることは売れるんです。でも、その収入だけでは生活できない。デザインのアルバイトをしながら絵の研究を続けました。どんな絵だと多く買っていただけているのか、画材や画風など、何年もかけて試行錯誤・研究しました」
そんな中、SNSに絵の投稿を続けていた真吏奈さんに一つの転機が。
投稿を見た広告会社のアートディレクターから声がかかります。
「ファッションビルのバザーのポスター画を描かないかと言われました。『あなたらしい絵で』と依頼いただいて本当に嬉しかったですし、それが初めてのメインビジュアルのお仕事でした。こういう仕事をしていきたかったのだと、確かな手応えを感じました」
PIVOT(大通にあったファッションビル)「ピヴォDOバザール」のポスター画の尾長鶏
この作品が一つのきっかけとなり、ポスタービジュアルや雑誌の表紙・挿絵など、イラストの仕事の依頼が舞い込むようになりました。