2024.03.07
深める(私)「いつからご実家と連絡を取っていないんですか?」
(H.Yさん)「もう20年はたつなぁ」
(私)「帰りたい、ご家族に会いたいという思いは?」
(H.Yさん)「う~ん、ない…」
ちょっと考えて、そう話したH.Yさんは、ニコッと微笑んで、遠くを見つめました。
私は、何かあるであろう…納得がゆく答えを得られない、もどかしい気持ちになりました。つかみどころがないような感じも受けました。同時に、一人の男性の70年以上の人生を、何度か会ったぐらいで理解できるはずもないか、と戒めました。
旅の延長だったのか、それにしても20年余り路上で暮らして来た理由は何か?かつての上司にパワーハラスメントを受けたことに起因するものはあるのか?そもそも、理由は必要なのか?
H.Yさんはその後、路上生活を止めました。そのきっかけが、冒頭に記した予期せぬ事件に巻き込まれたことでした。
⇒続きの記事は、2024年3月14日(木)更新予定です。
◇文・写真 HBC油谷弘洋
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(*注1)北海道の労働と福祉を考える会(通称・労福会): 1999年に北海道大学の学生と教員が母体となって発足した任意のボランティア団体で、路上生活者ら生活困窮者の把握と調査、支援を目的としています。会員は学生に加えて会社員や主婦、公務員、自営業者、福祉関係者、教育関係者ら一般人も加わって運営されています。毎週土曜日には「夜回り」と称して札幌市内を歩き、路上生活者らと対話しながら実態を把握し、食料や生活必需品等を配布するなどの支援を続けています。また月に1回のペースで「炊き出し」も行っています。運営資金は企業や団体、個人からの寄付と助成金、会員の会費などで賄われ、ボランティスタッフと寄付金を募集しています。https://www.roufuku.org/
(*注2)夜回り: 上記参照