2024.02.28
深めるうんうん、そしてね、これ今回のお手紙で特に共感した部分なんだけれどさ。
特定の仕事について、その内容をよくよく注視してみたとき「もしかしてこれって、マイノリティの抑圧というか、差別につながったりしていない?」って疑問や不安を抱いたこと、読者の皆さんはこれまで経験ないかしら。
あたしはというと、実は女装(より正確にはドラァグクィーン)というなりわいに関して、この点を真剣に考え、自分自身の立ち位置について悩んだ時期というのがあったんです。
ドラァグクィーンたちの活躍ぶりは、最近だと日本でもごく気軽に、メディアやSNS上で見かけるようになりました。
しかしそのパフォーマンスは「ドレスや化粧といった女性性を過激にパロディーし、風刺として用いているわけだから、その根本って女性を馬鹿にしているんじゃないか」と、ジェンダー論の観点から批判を受け、避けられてしまうことが時にあります。
実際に海外のプライドパレードでは、ジェンダー平等の観点から、かつてドラァグクィーンの参加を制限する発表をした地域もありました(例:2015年のグラスゴー)。
クィーン当事者たちの話を聞いていても、この点に関してダブルバインドを抱えていたり、何がしかの葛藤を感じたことがある人というのは、決して少なくないように思います。あたしも、その内のひとりでした。
今となっては、一定の折り合いをこころの中でつけているし、批判がきた時には自分なりの意見をさらっと伝えられるようにもなったんだけれど(例えば「「ドラァグクィーン」や「女装」という表現方法で出来ること/実際に行われていることは、パロディーや風刺だけとは限らない」とか、「ドレスや化粧といった女性ジェンダーと結びつけられがちな記号を相対化し、それらを使った遊びを示すことは、女性のエンパワメントにもつながっている」とかね)。
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