2024.02.28
育む青田さんはいつも、大人との会話を楽しみつつ、子どもの言葉にもしっかりと耳を傾けてくれます。
話の中からその子の好きなものを見極め、年齢や嗜好にあった絵本をサッと取り出してくれるんです。
そしてページをめくりながら、その絵本の魅力をわかりやすく、子どもも大人も引き込まれるように語ってくれます。
自ら厳選して並べている2500もの絵本。
青田さんの頭の中にはそのすべてへの熱い思いや、おすすめポイントがあります。
その情報量にはいつも驚かされます。
そして、青田さんの元気の源はきっとお客さんとの“会話”と“笑い”にあるのだろうと思うのです。
そんな明るいこの青田さんが、少し不安げな表情で話してくれたことがあります。
「絵本文化って、これからどうなっていくのでしょう」
でも、私が訪れたときにも、毎週末お店に来ているという50代後半の2人組の姿が。
「大きな書店とはまったく違う良さがある」と話してくれました。そしてこんな一言も。
「青田さんの話を聞いたら色々ほしくなって買っちゃうの。でも置き場所に困るから、本当に気に入ったものだけ買っているのよ」
その言葉通り、この日も何時間も滞在し、絵本を吟味していました。
その姿を見つめ、笑顔があふれる青田さん。
「大人にこそ、もっと絵本をおすすめしたい。絵本は“美術”や“芸術”として考えると、とてもレベルが高いものですから」と話します。
もし、「子どもが一緒じゃないと行きづらい…」なんて思っている人がいたら、ぜひその概念を捨ててほしいと思います。
「ちいさなえほんや ひだまり」の世界へ、気軽に飛び込んでみてくださいね。
【取材協力】
「ちいさまえほんや ひだまり」
住所 札幌市手稲区新発寒6条5丁目14-3
電話FAX 011-695-2120
営業時間 午前10時~午後7時
営業日 金・土・日・月・祝
『もじもじこぶくんピンクのぼうし 習作絵本原画展』
開催期間 2024年2月2日(金)~3月31日(日)
****
「連載コラム・今月の絵本通信」
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
Instagramも更新中!
編集:Sitakke編集部あい