でも、破壊と創造さんの抱く「何かあったとき、この人全面的に見方してくれるのかなぁ」という不安や、「嫌いになるぐらいなら、一緒にいない方がいいかも」という愛憎半々の気持ちは、本当によくわかる。
相手の覚悟を教えてほしいというか、「君のことや、君と作る家庭のことを何より大事にするからね」というメッセージをきちんと態度や行動でかたちにしてくれないと、どうしても「結局ないがしろにされる可能性あるのかな」って考えてしまうものよね。一生のパートナーになるかもしれないとなると、なおさらそう。
で、なんだけどさ。ここからが言いたいこと!
その「かたち」にする作業、破壊と創造さんの場合は相手に委ねっぱなしにするのではなく、2人の間の「約束」としてこちらから求めちゃって、その結果双方向的なものとして結実させちゃうのが塩梅いいんじゃないかって、あたし思うのよ。
例えば、「自分たちの関係性や家庭のこと、大事なことは特に、ふたりの考えで決めようね。お母さんの意見は二の次。そうできなかったら、別れます。」ってあなたから提案し、合意を得ておく。それだけで「全面的」かはわからずとも、少なくとも破壊と創造さんの意見を、お母さんの考えよりは優先してくれるように、あなたのパートナーならきっと動いてくれるはず。
もっと言うと、そう相手を信じる根拠が、あなたの中に生まれるんじゃないかしら。
「それでは足りない。やっぱり全てが気にならないぐらい、根本的に変わってほしい」と言うのなら、それはもうあなたの中で譲れない何か。彼との関係を白紙にすることも適切な選択肢な気がする。
でも結局どんな人も、特定の誰かだけを100%優先することってできないじゃない?
きっと今の彼以外の人と出会ったとしても、似た問題で衝突することになるんじゃないかなぁ。あたしは、そう思います。
破壊と創造さん。思いっきりゼロにしてやる!と「破壊」衝動を爆発させる前に、相手と新しい取り決めをするという「創造」の力を、一度働かせてみてはどうでしょう。
それが、2人が共にいるという未来の、確かな礎としての役割を担ってくれるはず。
言葉で思いを伝え合い、お互いのものにしていく。
そうして作ってきた約束の一つ一つが、人間の歩む道を紡いできたんです。
破壊と創造さんも、パートナーと一緒に、素敵な将来をつくっていってほしい。
縦の糸はあなた、横の糸はわたし、じゃないけれど。
ふたりの「織り合わせ」がうまくいくよう、あたしも陰ながら応援していますね!
というわけで、今回は「パートナーの親」という、多くの人を長らく悩ませているであろう問題について考えてみました。
うーん、課題として浮上するとなかなか簡単な解決には至らないトピックかもしれないけれど、いろいろな障壁を乗り越えていった先には、案外明るい未来が待っているんじゃないかしら。
同じようなモヤモヤを抱えるすべての人たちに、何か響くところがあればいいなぁと思っています。
そうそう、今回の帰省中に、あたしの弟ったらパートナーの親御さんに挨拶に行ってたみたいなの。
「これから行ってきます!」ってタイミングで、絶妙にこわばっている表情筋を見ているのが面白かったわぁ……!笑
あーあ、あたしにもそんな瞬間、やってきたりしないかしら。
え?まずはパートナー探しからですって?そんなの重々承知の上よ!←
ではでは皆さん、Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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