国際的なスポーツ大会の開会式にも登場した、タップダンス。実は北海道にも、タップダンスを広めようと活動している女性がいます。
コロナ禍の心と体に嬉しい、タップダンスの魅力とは…。

老若男女に!経験いらずの「門戸の広い」ダンス

札幌市中央区のタップダンススタジオ・YukiTap。
40人ほどの会員は、20代から40代の女性が中心ですが、中には3才から習い始めた子や、60代の男性も。

講師のYuki Omiさんによると、タップダンスは、「門戸の広さ」が魅力。ダンスの経験がなくても、「歩く」ことができれば老若男女、誰でも楽しめるといいます。

運動不足の体に嬉しい、バレエ経験を生かした踊り方

太ももや尻の筋肉を多く使うタップダンスは、生徒から「冬道で転びづらくなった」「長距離を歩いても疲れにくくなった」など、嬉しい体の変化を聞くといいます。
中でもYukiさんのタップダンスは、全身のインナーマッスルを使います。

バレエに打ち込むYukiさん(当時9歳)

Yukiさんは北見市出身で、4歳からクラシックバレエを始めました。中学生からは札幌で一人暮らしをしながら、本格的に打ち込み数々のコンクールで入賞した経験を持ちます。
そんなYukiさんのタップダンスは、足音を「聞いて楽しい」だけでなく、のびやかに動く上半身も「見て楽しい」魅力があります。

その魅力に引き込まれた生徒の中には、週に3クラスほど通い、1年で6キロやせた人も。「やせこけた」のではなく、姿勢が良くなって「引き締まった」印象とのこと。
Yukiさんも、自分自身の脚やヒップラインが整っていくのを感じているといいます。

Yukiさんは「コロナ禍で家にこもって、体力が落ちている人が多いと思う。タップダンスは1時間のクラスで8000歩に達するので、日々の運動不足の解消にもおすすめ」と話します。

大声で話せない今こそ、足音で交流を

タップダンスの魅力は、体に嬉しい「運動」としての側面だけではありません。

Yukiさんによると、タップダンスは母国語も楽器も使用を制限されていた黒人奴隷が気持ちを足音に変える「言語」として生まれたそう。

Yukiさん自身にも、「言語」としてのタップダンスの魅力を実感した経験があります。

ニューヨークに留学し、バレエを中心に学んでいたころたまたま出会ったタップダンス。
英語は全く話せなかったといいますが、足音ひとつで「いいね!」と笑顔をもらえるタップダンスが言葉の壁を越えて仲間を作る、コミュニケーションツールになったそう。

ニューヨークのタイムズスクエアでタップダンスのストリートイベントに参加

札幌でスタジオを開いてからも、特にリズムでキャッチボールをするように即興で踊るクラスでは
足音から相手の人柄が見えたり、感情のままに踊る子どもに感動したりと「足音での交流」を楽しんでいるといいます。

タップダンスは、大声で話せないコロナ禍でも楽しめる交流の手段にもなるのです。

オンラインで靴下からでも 全道にタップダンスを

YukiTapでは、札幌の人だけでなく、遠方の人も気軽に始められるオンラインレッスンもあります。
美幌町や中標津町のほか、大阪府や群馬県など、各地に生徒がいるといいます。マンションに住んでいて音が鳴らせない人は、靴下やルームシューズ、スニーカーから初めてもいいそう。

「コロナ禍にならなければ、オンラインでタップダンスなんて思いつかなかった。今はいろいろな形でタップダンスに触れてもらえる世の中。全道にタップダンスを広めるのが夢」と話すYukiさん。

「私がバレエのために中学生で親元を離れたように、なんでも本格的に習おうと思うと、都市に行かないといけない現状がある。地方でもタップダンスを身近に習えるよう、全道に広めていつか全道のタップを愛する人たちが集うステージを作りたい」と目を輝かせます。

カエデの木を使ったこだわりの床は、足腰へのダメージが少なく、きれいな音が鳴る

YukiTapでは、500円で靴を借りることもでき、1000円の体験レッスンもあります。
詳しくは、YukiTapのホームページからお問い合わせを!

文:Sitakke編集部 IKU

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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