続くセクションでは「100年後の物語」をテーマに、劇場の楽屋を使って6組のアーティストが表現。その中で特に印象的だったのがこちら。
円状の2枚のスクリーンがあり、奥のスクリーンではデジタル化された来場者の動きがシルエットで表示されています。
細川さん:《存在の谷からのエコー》という作品で、テーマは「生と死」。肉体の死後もバーチャルな世界で生き続けることが可能になった100年後の未来に、あなたは何を残したいですか?と来場者が問いかけられ、それを意識しながら展示室に進んでもらいます。手前側のスクリーンは量子コンピュータという最先端のコンピュータの内部と、人体の中で蠢(うごめ)いている原子・分子レベルの動きという、デジタルとアナログのイメージを重ね合わせた抽象的なイメージが映し出されています。
堰八アナ:え、何これ!?
細川さん:ここで集めたサンプルやデータは、この作品の作者であるエイミーさんが参加しているプロジェクトを通じて、2026年に月へ送ることが決まっています。参加するかどうかは皆さんの自由です。絶対にやらないという方もいますし、面白そうという方もいますね。
堰八アナ:安易に打てないですね(笑) ちょっと怖いけど……えい!DNA、未来に残しちゃった!
細川さん:私個人が興味があるのは、そのデータをいつかの未来に誰が見るのかということですね。地球外生命体かもしれないし、未来の人類かもしれません。
堰八アナ:あまりにもリアルで、今いるのは現在?過去?未来?と、自分がどこにいるのかわからなくなりますね。まさにタイムスリップしているような感覚です!
未来を表現したブース内では「未来」にタイムスリップした感覚になりますし、一歩そこから出ると未来人として「過去」に戻ってきたって感じもするし...。なんだか「現在」の立ち位置がわからなくなるような、不思議な感覚になりました。