2021.08.12

暮らす

どうして山の天気は変わりやすいの?山登りのときに気をつけたいポイント #気象予報士コラム

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

北海道の短い夏、山登りは安全に!

今回は、高い山とお天気の関係についてお伝えします。

なぜ山の天気は変わりやすいと言われるの?仕組みは簡単・・・地形と空気の流れ方

高山植物が咲き乱れる光景などを求め、たくさんの登山者が北海道の夏山を楽しまれているはずです。
しかし、山の天気は女心のように変わりやすい…などと表現されるように、平地の感覚でいると危険です。

「晴れて見晴らしが良かったのに、気が付いたら霧がかかり、景色が全く見えなくなってしまった」
「平地は暑かったから軽装でいったら、頂上に向かうにつれて寒い思いをした」
「急に雨に降られてしまった」
「落雷で怖い思いをした」

そういったことが起きるのが山の天気で、それに伴う事故が毎年のように起きてしまいます。

では、どうして変わりやすいのか?
簡単にいうと、「上昇気流が発生しやすいから」です。

例えば、山に向かって風が吹くと、その風、つまり空気の塊は行き場がなくなって、山の斜面に沿って上昇するしかなくなります。 あっという間に上昇気流が生まれることになります。 また、強い日ざしで山の斜面が暖められると、その周辺の空気も暖められて軽くなることで、上昇気流が生まれます。

そして、上昇した空気の塊の中では、気温が下がって含まれていた水蒸気が水滴となって雲ができ、最終的には雨を降らせることになります。 その空気が水蒸気をたくさん含んだ湿った空気であるほど、地上と上空の気温の差が大きければ大きいほど、雲は急速に発達し、雨も強まるという仕組みです。

登山の前にはお天気キャスターのキーワードに注目

そのため、登山のときには、いつもより天気予報をしっかりチェックすることが大事です。スマホやテレビのお天気マークだけを確認するのではなく、お天気キャスターのコメントの中に、「大気の状態が不安定」、「山沿いを中心に天気急変のおそれ」などのキーワードがあるかないかを確認するとよいでしょう。もしあれば天気の急変の予想が高確率という意味ですので、装備の変更だけでなく、登山自体の中止や延期も検討を。また、天気予報は、日々少しずつ変わりますので、できるだけ直前の最新予報まで確認するようにしてください。

HBCの専門天気図もぜひ参考に!

HBCのWEBコンテンツには、全国のたくさんの登山愛好家にも利用いただいている「専門天気図 」があります。気象予報士が予報を検討するときに基本となる気象庁発行の各種最新の天気図を公開しています。その見方に慣れると予想される大気の状態を確認できるようになります。

協力 HBCウェザーセンター

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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