この冬も多くの雪が降り、各地で「ドカ雪」となりました。
豪雪地の北海道積丹町では、町民の命と生活を雪かきで支える男性の姿がありました。
「暖房器具が使えなくて、どうしても暮らしに関わるところが大きいので」
後志の積丹町に住む津金卓(つがねすぐる)さん(45)。
積丹町の地域おこし協力隊に所属しています。
冬の主な活動は福祉除雪。
町民が積丹町に除雪依頼をし、町が協力隊に除雪作業を委託します。
午前7時、自分で除雪ができず、困っている高齢者の自宅をまわります。
この日の起床時間は午前4時半。
「大体そのくらいの時間に起きて…気になっちゃいます」と語ります。
町内で1人で暮らす高齢女性の家で、さっそく雪かきを始めます。
福祉除雪は、避難路や緊急出入り口の確保が目的。
窓やベランダなど、もしもの時の避難路を通れるように除雪していきます。
地道で体力勝負のこの雪かきは、町民の命を守る大切な作業です。
後志地方では、1月7日から9日にかけ活発な雪雲が流れ込み、10日午前0時までの72時間降雪量が、余市町で91センチと統計開始以来最多を観測しました。
屋根から雪が落ちてさらに積み上がり、津金さんにとってもなかなかの重労働。
福祉除雪は、1人暮らしの高齢者の多い積丹町において欠かせないものとなっています。
津金さんが、積丹町地域おこし協力隊として活動を始めたのは、3年前。
地域おこし協力隊は、除雪以外にも観光地の手すり保全や草刈り、蜂の巣の駆除まで様々な活動をしています。
しかし、ある問題を抱えています。
高齢化による人手不足です。
町は高齢化が進んでいますが、協力隊員も若者が少なく、人手が不足しているといいます。
津金さんは、「都心で高齢者と呼ばれる人たちは、まだ若い部類に分類されてしまうので、すごく無理する人が多いんです」と話します。
そして、「ほどほどに頑張っていただければ一番いいのかなと。そういうところで僕みたいな人間が役に立てば、一番この町に来た意味があるのかな」と話してくれました。
■自閉スペクトラム症を生きて「苦手なことがたくさんあるだけ」20歳女性が目指すのは一般企業就職