路上や車の中で野宿して暮らす人の実態を調べる札幌市の調査が、28日未明、行われました。その調査にカメラが同行して、野宿をする人、支援をする人の思いを取材しました。
調査は、普段、ホームレスや生活困窮者を支援している任意のボランティア団体「北海道の労働と福祉を考える会」が、札幌市の委託を受けて、28日日曜日の午前2時過ぎから、札幌市内10か所で行いました。
調査を深夜に行うのは、当事者が外見では判断しづらくなって、寝ている時間帯の方が状況を把握しやすいためです。
「労福会」代表・山内太郎さん
「うとうとしていて…熟睡できないと思う」
「労福会」は、毎週土曜日の夜、街中や河川敷を歩いて食料品を配ったり、炊き出しの支援を続けていて、学生や社会人ら幅広い年代がボランティアとして参加しています。
「労福会」事務局長(北大留学生) 阿木爾(アムエル)さん。
「ホームレスの方たちが、実際、困っていることと、僕たちが手伝い手助けできることを、会話を通して探っている」
<山内さんと野宿する男性の会話>
(山内さん)「野宿されてどれくらい?」
(男性)「1か月ぐらい…」
(山内さん)「畳の上に上がりたい、部屋入りたいというのではあれば、そういう支援をやっているので…」
路上生活者がこうした暮らしを続ける理由は多様です。
経済的な問題に加えて、家族や職場とのトラブルから居場所をなくす人、知的な障害があって社会への適応が難しい人、一旦は生活保護の受給を得ても、また路上に戻る人、様々です。
「労福会」代表・山内太郎さん
「『脱路上する』」という気持ちにどう持って行くか。本人がその気になるところをどうやってキャッチするか」
今回の調査では、札幌市内で、路上や車内で野宿をして暮らす人は30人以上確認されました。これは去年より数人多い状況で、40代とみられる女性がいたり、70代とみられる高齢者も含まれていました。
これら一人一人への細やかな対応を誰がどうすべきなのか、調査結果は厚生労働省がまとめる全国のデータに集計されます。
(スタジオ・堀啓知キャスター)
野宿を余儀なくされている人たちを支援する団体も実は、人手や資金、物資などが足りていなくて支援が必要という現実があります。こうした課題にも向き合わないと、野宿者問題の解決の道にはつながっていかないのではないかと思います。
【北海道の労働と福祉を考える会(労福会)】
(電話)090-7515-8393
(ホームページ)https://www.roufuku.org/
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