家に残されたわずかな当時の写真と各方面から集めた関連資料を頼りに、車自体のレストアは七飯町の『レストアショップ ミヤカワ』が担当し、最大のポイントとなる荷台の幌は函館市内の業者が制作。
また重春の配達車の幌のサイドには当時取扱メーカー・北海道乳業の略称である「北乳」の文字と、看板商品の「ストロング牛乳」ロゴが刻印されていたが、これも正式に北海道乳業に打診して使用許可とオリジナルデータを得て看板を制作し、同じ箇所に貼り付けるという徹底ぶり。
「でも、私自身は乗せてもらった記憶って実は残ってないんですよ(笑)」内藤さんがここまで復元に向けて邁進できたのは、もしかすると「乗せてもらった記憶がない」ことへの渇望かもしれない。現在K360はバッテリーが取り外され、ガレージの中で冬眠中。雪が溶け、待ち遠しい春が来たら再びバッテリーを積み、函館の町をかわいらしく走りまわる予定だ。
改ページ:SNSで制作過程を発信
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