2024.02.02
深める12月1日。金子記者に突然届いたアブデさんからのメッセージ。
それは、アブデさんの友人が亡くなったという連絡でした。
死亡したのは、2022年のサブジュニア世界大会に出場した16歳の少年、ムハマドさんです。
その横にアブデさんの姿もあります。
アブデさんからのメッセージにはこうありました。
「私たちの夢は壊された。彼は世界4位だったのに。毎日、友人の悲しいニュースを耳にする」
12月3日、札幌では通行人が絵の具で赤い涙を書き、犠牲者を追悼しました。
「ティアズフォーパレスチナ」。停戦を訴えるため、世界中で始まった活動です。
呼びかけ人の柳瀬安寿さんはこの活動について「ハードルが低いし、視覚的に目に残って意味があると思う」と意義を語ります。
JR札幌駅前には、今までと変わった光景が…。
若者たちが次々と筆をとり、涙を描きはじめたのです。
ガザから遠く離れた札幌で、犠牲者に心を痛め、平和を願う若者たち。
北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚さんは、大きな変化を感じています。
「旭川、釧路、函館など中都市でも、人々がスタンディングや集会をやってくれている。努力すればまだまだ北海道の方々は、関心を寄せて力になってくるんじゃないかなと思う」
12月31日、アブデさんから金子記者にひとつの動画が送られてきました。
アブデさんがトレーニングする映像です。
アブデさんは金子記者に、こうメッセージを送りました。
「自分のジムを開き、結婚して、自分と子供たちのためによい未来を築くことが夢だったが、この戦争により、私が築いたものはすべて壊された」
友人として、記者として。
取材した金子将也記者は、アブデさんの思いをどのように受け止めたのでしょうか。
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