札幌国際芸術祭では、毎回異なるディレクターがテーマを設定し、そのテーマに呼応する作品やプログラムを選定・紹介しています。今回は、オーストリアを拠点にアーティスト、キュレーター、リサーチャーとして活躍されている小川秀明さんがディレクターを務めます。
世界的に見ても、これだけの人口規模で降雪量の多い都市は札幌だけ。その札幌の魅力や特徴をもっとも発揮できるのが冬だと考え、今回は初めての冬開催となったんです。
初めての冬開催となる、今回のテーマは、「LAST SNOW」。
パンデミックや紛争、地球規模の気候変動、加速するテクノロジー…。いま、私たちの暮らしは急速に変容しています。
札幌では当たり前のように存在しているはずの「雪」の意味、価値、そして雪が作り出す風景が、100年後にはどのように変化しているのでしょうか?
「LAST」という単語には、“最後”や、“この前の” “続く”という複数の意味があります。いろいろなLAST SNOWを思い浮かべながら、アートを通し、雪とともにある札幌の、私たちの未来を考えてみる。小川秀明さんのそんな想いのもと、10カ国以上、約80組のアーティストによる作品を選定しました。ぜひさまざまな作品を見て体験しながら、芸術祭を楽しんでみて頂けると面白いかなと思います。
―最後に、広報チームからみた、「札幌国際芸術祭」の魅力について教えてください!
佐々木さん
私と佐藤さんは市の職員でして、札幌国際芸術祭の広報を担当するのは今回が初めてです。開催に向けて、多くの市民の人達が関わっていくというところがとても楽しみですね。
佐藤さん
過去の来場者からは「もともと現代アートには興味がなかったけど、札幌に眠る宝を発掘するような展示が多くて面白かった」という感想が寄せられています。私自身も、過去に市民ボランティアとして関わっていたのですが、この芸術祭は間口が広く、どなたでも参加しやすいというのが魅力だと感じています。
山岸さん
私は、第1回目の2014年からスタッフとして関わっているのですが、その年のディレクターによって、芸術祭の“雰囲気”がガラリと異なることも魅力だと思います。坂本龍一さんがディレクターを務めた2014年は、現代アートを中心とした”インテリジェンスな芸術祭”なんて言われたりしたこともありました。 大友良英さんによる2017年は、様々な思いが寄せ集まって生まれる「カオス」な雰囲気で、“コントロール不可能な芸術祭”という感じでした、もちろんいい意味です!(笑)
今回も小川さんの手によって、“新しい芸術祭”が生まれると思うので、一体どんな雰囲気のものになるか…ぜひ多くの皆さんに一緒に体験していただきたいです!