2024.01.20
深める大学の先生に初めてかつて自分が受けてきた「虐待」を打ち明けたあいりさん。
その先生に紹介されたのは、札幌市内にある、「LiNK」(リンク)というこれまで聞いたことのなかった窓口でした。
10代から20代の女性たちを支援する事業を行っているLiNKに、あいりさんは、強い思いをもって面談に向かいました。
「家からなんとしてでも出るために、ためらわずに相談しました」
ここまでは明るく、経緯を話してくれていたあいりさん。
でも、私がLiNKに来てからの自らの変化について聞いたとき、あいりさんの表情が変わりました。
「ここで初めて、自分が認められたと感じたんです」
母親が自分や兄のことを放置することが多かったこと。
兄からの暴力も母親に見逃されてきたこと。
そうした経験から「自分は誰からも認められない」と感じてきたこと。
これまでのことをLiNKで打ち明けたとき、かけられた言葉は、
「耐えてきて、えらいね」
というものだったのだそう。
「認めてもらえたことがすごくうれしくて、安心して『私はここにいていいんだ』と思えるようになりました」
涙ぐみながら私に話してくれるあいりさんをみて、彼女が踏み出せた一歩の大きさをひしひしと感じました。
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