サーバーはデータを処理する際、高い熱を発します。
その熱を、このデータセンターでは冬に貯蔵した雪を使い、冷却しています。
一方、温室ではキレイな雪解け水を濾過してウナギの池に。
データセンターから出る熱を利用して、ウナギの生育に最適な水温、29度から30度にキープして養殖します。
ホワイトデータセンターの本間弘達さんは「データセンターから出てくる熱は、使わなければ環境を破壊しているのと一緒。だったら食べ物を作ろうという発想でウナギの養殖に取り組んでいます」と話します。
このデータセンターでは、2019年から雪エネルギーを使った養殖の研究に着手。
これまでにアワビやウニに挑戦し、5年にわたる試行錯誤でたどりついたのが、水質と水温の管理が難しいとされる「ウナギ」でした。
ポイントは、美唄の雪どけ水。
分子の粒が小さく、その分、ウナギにも栄養がしみこみやすいのではないかと考えたそうです。
実際に、天然水はウナギにも優しく、稚魚がわずか半年で出荷できる大きさに成長します。
また、雪どけ水も、豪雪地帯の美唄市には無限にあります。
いま、道内で流通する国産のウナギはすべて本州産。
「道産ウナギ」の誕生にうなぎ料理店も注目です。
札幌の、「うなぎのかど屋」でも「車で1時間のところで作っている人とつながって仕入れられるのは、夢のような話」と歓迎します。
雪の恵みで育てるウナギは、その名もずばり「雪うなぎ」。
内陸育ちのウナギのうな重がこの夏、食べられることになりそうです。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年1月12日)の情報に基づきます。