2024.01.16

暮らす

地震の映像で不安に…「寝られなくなる」訴える子どもも 必要なケアと被災地に私たちが今できること【能登半島地震】

「寝られなくなったりする」子どものケア

一方で、この「能登半島地震」や、翌日に起きた「航空機衝突事故」など、テレビやSNSなどで繰り返し流れる映像を見て、ストレスを感じるケースも少なくありません。

マチの人の中でも、「悲しくなったりするので、選んで見ない」「自分もつらくなっちゃうので、SNSとかもあまり開かないよう意識している」という声も。

また、小さな子どもを持つ親の中には「地震の映像がちょっとテレビで流れてずっと不安がってたので、すぐ違うものに切り替えた」という人も。

「率先して見せるわけではないけど、見ちゃったら仕方ないかな」

「小さいときはなるべく見せたくない。トラウマになったら嫌なので」

という意見もありました。

実際、小学4年生の男の子に聞いてみると、「寝れなくなったりすることもある」と話していました。

衝撃的な映像を見続けることで、なぜ気持ちに不安が広がるのでしょうか。

精神科医の香山リカさんが、「共感疲労」について教えてくれました。

共感疲労は、実際に体験したわけではないことを、あたかも体験したように感じることで起こります。

「被災していないのに、共感をしすぎることで自分がダメージを受けてしまう。気付いたら本当に疲れてしまっているとか、元気がなくなっているなんてことも起きやすい」

香山さんは、特に小学校の中学年ぐらいの子どもを、気にかけてほしいと話します。

「その身になりすぎるというか、被災した子たちが今寒いんじゃないかとか、怖いんじゃないかという、それを自分の体験のように感じてしまって、それで眠れなくなるとか落ち込んでしまう。相手の立場になって考えやすいので、むしろ心の傷というか、受けるダメージは大きいと思う」

相手の気持ちに共感しすぎて、自分自身が体験していなくても精神的に疲れてしまう現象が「共感疲労」ですが、大人よりも子どもの方が強く感じやすいということです。

気持ちを落ち込ませないためにどうすればいいのかについても教えてもらいました。

●情報から離れる時間を意識して作る⇒SNSやテレビを見ない
●料理など手を動かす作業をする⇒手を動かして単純作業に没頭することで脳の違うところを使うので頭をリセットできる

大切なのは 「自分の生活を守ることが、いつか被災者の役に立つと考える」 ことです。

能登半島地震は、復旧までまだまだ長い時間が必要です。

被災地を支援するためにも、まずは自分自身の心のケアも大切にしてください。

【特集】秋冬の”じぶんごと”防災

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年1月9日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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