2023.12.26
暮らすそのヒツジを放牧する場所に、去年の雪解けの後、クマが入ってきました。
「ヒツジを放牧するために、妻がネットフェンスが倒れたのを起こす作業をやっていたときに、10メートルくらいの距離でクマが急に立ち上がって」
笹やぶから出てきたクマは、交通事故にあったのか、けがをしていました。
有光さんは、ハンターでもあります。駆除以外の選択肢も含めて、「野生鳥獣専門員」の浦田さんと相談しながら、クマごとの対応を考えています。
この数日前にも、有光さんは近くで、特徴が同じクマを目撃していました。
浦田さんに電話をかけ、相談すると、駆除も視野に入れて対応するよう言われました。
北海道が示している「ヒグマ出没時の対応方針」では、「人の活動地域、農地に頻繁に出没する」クマや、「人間を見ても逃げない」クマについて、「出没が継続し、地域の生活や産業活動に支障のある場合は排除」としています。
有光さんは銃を持ちながらも、すぐには撃たず、クマの様子に注目していました。
足をけがしたクマは、ゆっくりとですが、有光さんを気にして、逃げる様子を見せました。
有光さんが追い払うと、山へ戻り、その後は人目につくところには来ていないといいます。
「野生鳥獣専門員」と相談しながら対応できることについて、有光さんは、「ハンターにとっても、意義がある」と話します。
「その個体がどういう理由でそこにいるのかが、危険性の度合いに影響するんだと思う。単発的に駆除をするなら、ハンターだけでもできるかもしれないけれど、継続的に理論立てて対応していく上で、野生鳥獣担当がいるのは重要」
クマとの“いい距離の保ち方”を考える連載「クマさん、ここまでよ」