2023.12.01
深める皆さんは「多死社会」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?
高齢化の後、死者の数が増えて人口減少が加速することですが、新たな課題として浮かびあがるのが火葬場などの問題です。
「終活」という言葉がめずらしいものではなくなった、人生100年時代の今。
大切な人だからこそ、「最期」や「いなくなったあと」を想像することはどうしても後回しにしてしまいがち…。
だけど、大切な人だからこそ、大切に考えたい、大切なことが「終活」には詰まっています。
連載「親の「終活」を考える」では、Sitakke編集部も自分事で「親世代の終活」に向き合います。
11月23日、札幌市厚別区大谷地のバスターミナルから1台のバスが出発しました。
参加したのは、29人の札幌市民。向かった先は、なんと里塚斎場です。
この日は、火葬場がお休み。
自由に見学してもらい、火葬場と墓地のあり方を市民に知ってもらおうと、札幌市が初めて企画しました。
札幌市保健所施設管理課の藤田課長は「お墓が無縁になってしまうとか、、火葬場で何日も待つことになるとか…、このままの状態が進んでいくと、そういうことも起こりうるということを自分のこととして捉えて考えていただきたい」と今回の企画の狙いを話してくれました。
札幌市には現在、里塚斎場と山口斎場の2つの火葬場があります。
市内の火葬の件数は、高齢化社会を映し出すように、この12年間で1.4倍に増えています。
札幌の場合、火葬の件数は、一般的に「友引」の翌日=いわゆる「友引明け」に特に多くなります。
今のペースで増えた場合、6年後の2029年度には、1日の火葬件数の限界を迎えることになります。
つまり、火葬できなくなるかもしれないのです。
参加した人からは、こんな感想が。
「自分も、自分の家族もいつか亡くなる。いざというときにあわてないようにちょっとは知っておかないと」
「死んだときにしか火葬場に来られないなんて…死ぬ前に知ることができてよかった」
私たちにいずれ、必ずやって来る葬式やお墓の問題。
そして、高齢化の後には死者数が増える「多死社会」が。
私たちの想像以上の速さで進んでいる現実があります。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年11月23日)の情報に基づきます。