「走る意味がわからなくなった…」車いすで目指す九州一周　出会い通じて見つけた51歳母の答え

「なぜ走るのか」の答えは…

「今日で終わると嬉しい反面、ちょっと寂しい気もします」

午前７時、中環さんは、長女の岬さんに見送られて、最後のスタートを切りました。

残りは49ｋｍ。

ゴールまでの道のりを快調に進む中さん。

朝から５時間を走り、お昼休憩の時間になると、こんな意外な一言が出ました。

「痛みもあるし、だるさもあるんだけど、自分の想定範囲内だから…」

去年、四国一周に挑戦した時は、体の痛みとシビレに苦しめられましたが、今回は、いたって元気！

さらに３時間走り、最後の休憩地点に。

残りは12ｋｍです。でも…

「嫌だね」と一言。

こんな感情は初めてだといいます。

「前までだったら早く着きたいとか、早く帰りたいとかだったけど、今はゆっくり走りたい」

九州一周の思い出をかみしめながら、ゆっくりとゴールを目指します。

徐々に日も暮れていき、１か月前にスタートした道の駅へ。

そして、ついにゴール！！

10月19日午後６時、30日間で、1075ｋｍを走りきり、車いすで九州一周を達成しました！

「なぜ走るのか？」

いつも問いかける質問を、この日も中さんにぶつけました。

「何で走るかと言ったら『未熟な私が成長するため』だと思った。私を見て、その人がたがどう思うかは自由だけど、少しでもプラスにはなってほしい。明日プラスになることを思ってくれたら、それだけで嬉しい」

中さんは、もう次を見据えます。

来年は「中国地方一周」へ。

中国地方と言ってもかなり広いので、どんな挑戦になるのか楽しみですね。

文：HBC報道部「もんすけ調査隊」
編集：Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ！」放送時（2023年11月6日）の情報に基づきます。