「地域のお茶の間」としての子ども食堂

—困っている人が来るかわからない。—

では、二本松さんが考える“子ども食堂の意義”とは何でしょうか。
「大変な人って、一見わからないんです。子ども食堂という、地域の人と何気ない話を積み重ねていく場があるということが、子どもたちがいざ困った状況に陥ったときに、孤独を防いで、問題が重大化するのを防いでくれると思います」

二本松さんによるヒアリング調査のとき、子ども食堂に来る子のお母さん方は、“満腹”ではなく、空間への“満足”を求めていたといいます。

また、子ども食堂の運営者が、地元で子ども食堂によく来る子とすれ違ったとき、その子に気軽に話しかけられるようになったというお話も聞きました。

そうやって、子ども食堂には、関わる人同士を繋げて、彼らにとっての“地元”を作っていく役割があるのだと、私は感じました。

札幌・北区でNPOが行っている学習支援の前後の食事タイム

いつもそこにあって地域の人の居場所になり、困っている子が自分から助けを求められないとき、自分に助けが必要だと気づけないとき、それに気づけるように身近な人とのつながりを育てること。それが子ども食堂の意義なのかもしれないと思いました。

二本松さんが現在所属する「おてらおやつクラブ」も、全国にあるお寺と、地域の子どもやひとり親家庭を支援する団体を繋ぎます。
形は変われど、学生時代に「おばちゃんたち」が助けてくれたように、身近な人が手を差し伸べられるためのつながりを、これからも作っていくのでしょうか。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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