演技講座に参加したことで、表現することや創作をする上で必要な”種”を沢山もらいました。
台本の稽古に入る前に行うワーク(簡単なゲームなど)は、演劇には関係ないように見えても、実は作品作りの課題に対処するためのものが多くあって感動しました。
いざ作品を作るとなった時も、演出の弦巻さんが「その人が持っている要素」と「演じる役の持っている要素」のどちらかに合わせるのではなく、二つの要素がぴったり合う所を探してくれていて、強制しないというところもいい点だなあと感じました。
色んな背景を持っている人たちと一つの作品に向かっていく中で、普段の肩書に捉われずに、役を通してその人の歴史に思いを馳せることが出来て、それはすごく豊かな時間でしたね。
特に去年の11月に発表公演で上演した「冬の花火」では、私の娘役を演じた方と役として繋がれた瞬間を見つけて、プロの役者同士じゃなくても、こんな風に舞台上で繋がれるんだ!という発見と衝撃があって楽しかったです!!
演劇などの文化芸術を作ることを通して、色んな人達がつながれる場所を作りたいです!
北海道の皆さんが文化芸術を身近に感じられるような企画や、道外の地域と文化芸術で交流をもつ企画などを行う、一般社団法人を立ち上げる準備中です。
何かを創作するとか、表現するとかってすごく大げさな言葉じゃないですか。
でもそんなことはなくて、生きてることそのものが”表現”だなって最近はすごく思うんです。実は日常のすごく近いところにあって、そのことに気付いて大切に出来る手段の一つとして「演劇」があるというか。
演劇を観ることや、演じることが好きになってから、ただ過ぎ去っていくばかりだった日常の中に”物語”を見つけられるようになりました。そう思えることそのものが楽しい!
もしこれを読んでくれた方が、日常を楽しむ一つの手段として、私の大好きな「演劇」がそのきっかけや入り口になってくれたら嬉しいなぁと思います。
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阿部さんへの取材を通し、「日常に物語を見つける」ってすごく素敵な言葉だなと感じました。演劇や表現って、実は日常のすぐ側にあるものなのかも知れないな、阿部さんのお話は、私にとっても大きな発見でした。
阿部さんと私は、12月に一緒の舞台に立ちます。これを読んで今まで演劇を観たことがなかった方や、演技講座に興味を持ってくださった方は、是非一度、劇場に足を運んでみてください!
弦巻楽団が主催する毎年恒例の名物企画となっていて、3日間で3つの演劇作品を上演します。
1つ目の演目は、チリの劇作家アリエル・ドーフマンの「死と乙女」 。劇団の代表・演出である弦巻啓太が長年上演を夢見てきたスリリングな心理劇を、青井陽治による翻訳で上演します。
2つ目の演目は、東京からのスペシャルゲストとして劇団5454を招聘(しょうへい)! 若手演出家コンクール2022で完成度の高さを絶賛された話題作「宿りして」を上演します。
3つ目の演目は、演技講座発表公演として上演される、長谷川孝治の「冬の入口」 。演技初挑戦の方から何度も舞台に立つ俳優まで、さまざまな背景を持つ講座生が挑戦するのは、丁寧な会話から人間の機微を描く名作戯曲です。
阿部さんと私が出演するのはこの「冬の入口」です!
【日時】 2023年12⽉1⽇(⾦)〜3⽇(⽇)
12月1日(金)19:00 劇団5454『宿りして』
12月2日(土)11:00 劇団5454『宿りして』
15:00 演技講座『冬の⼊⼝』
19:00 弦巻楽団『死と⼄⼥』
12月3日(日)11:00 演技講座『冬の⼊⼝』
15:00 弦巻楽団『死と⼄⼥』
【会場】 ⽣活⽀援型⽂化施設コンカリーニョ
札幌市⻄区⼋軒1条⻄1丁⽬2-10 ザ・タワープレイス1F
(JR琴似駅直結)
【後援】札幌市、札幌市教育委員会
【主催】⼀般社団法⼈劇団弦巻楽団
チケットなどの詳細は、弦巻楽団|公式サイトをご確認ください。
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文:高橋咲希
編集:Sitakke編集部 ナベ子