こんにちは、札幌在住のライターの川口ゆりです。
突然ですが、読者のみなさんの中には、種類を問わず大なり小なり悩みを抱えている方も決して少なくはないのではないでしょうか。毎日、仕事にプライベートに頑張る私たちの悩みは尽きませんよね。
しかしお悩みがあっても、専門家を最初から頼るほどでもなく、身近な人に相談するには少しハードルが高い、なんてことはありませんか?
今回お話を伺った、かでる2・7の6階にあり、北海道立女性プラザが運営する
北海道女性の活躍支援センターは、どうやらそんな悩みに寄り添ってくれる素敵な施設らしいのです。
一体どんな場所なのか、実際に施設で勤務するお二方にお話を伺いました。
ーーまずはじめに、施設の概要を教えてください。
高橋:北海道女性の活躍支援センターは、女性のライフステージに応じた、様々な相談に対応する総合相談機関です。女性を対象にした窓口は世の中に色々ありますが、ここでは種類や悩みの大小を問わずどのような相談でも受け付けています。年齢、お住まいの地域に関わらず、北海道在住の女性であればどのような方でも歓迎です。
ーー相談の間口が広く、ありがたいですね。どのようなご相談に乗っていただけるのでしょうか。
高橋:総合相談、専門相談、メンター相談の3種類です。総合相談はとにかく話を聞いてほしい方向けで、専門相談は起業、子育て、介護の3分野があり、具体的、専門的なアドバイスが欲しい方向けです。メンター相談は、道内各地で活躍される女性たちがメンターとしてメールにて相談に乗ってくれる仕組みです。
繁富:施設として契約している専門のコンシェルジュ(支援員)は現在6名で、私のように起業を目指す女性を応援する団体の代表や、キャリアコンサルタントなど「悩める女性を救いたい」との思いを持って活動されている方が所属しています。
ーーなるほど、私も悩みを相談してみたいのですが、どのように相談したらいいですか?
高橋:相談方法は面談、電話、メール、FAXの4種類です。子育て中の方はセンター内におもちゃや絵本もご用意していますので、相談時にお子さんを預けることなく一緒にご利用いただけます。新型コロナウイルスの影響で施設が休館中の場合は、面談以外の方法でご相談を承っております。
ーー具体的に今までどのような相談がありましたか。
高橋:若い方だと、就職活動中の大学生がどんな服装で面接に行ったらいいのかというご相談から、ご年配の方だと近所の騒音や環境についてのご相談がありました。という感じで、寄せられるお悩みは多種多様です。
ーー北海道の女性が抱える特有のお悩みなどはあるのでしょうか。
高橋:北海道の女性特有というのは正直あまり分からないのですが、住んでいる場所によってのお悩みはありますね。
繁富:例えば、地方在住の女性だと、「起業をしてみたいけど、周りの目が気になってしまって一歩を踏み出しにくい」というケースがとても多いですね。同じように前向きに熱意を持った仲間が女性起業家仲間が欲しくても、地域の中ではロールモデルとなる女性が見つかりにくく、一人で悩んでいる方も少なくないのかもしれません。
高橋:仲間が見つからないと心細くなるので、そういう時にぜひ頼ってほしいですね。
ーー日頃から様々なご相談を受けていると思うのですが、気をつけていることはありますか?
高橋:女性の方は、ただ話を聞いて共感してもらいたいという方も多いので、まずはお話をじっくり最後まで傾聴します。必ずしもアドバイスをすることが目的ではないので、気軽な聞き役に徹することも多いですし、その方のニーズに合わせた関わり方に気をつけています。
ーー今までで一番心に残っているご相談はありますか?
繁富:とある電話相談をお受けした際に、電話口で「この相談窓口では、何分間お話を聞いていただけるのでしょうか?」と聞かれたので「何分でも大丈夫ですよ。気になさらないでください」と話したところ、驚かれたと同時に「こんな私でも受け止めてくれる場所があるの?」と喜んでいただけたことがあります。
ーー最後に、北海道の悩める女性たちへぜひメッセージをお願いします。
繁富:今の話のように「専門的な話の前に、まずは話を聞いてもらいたい」という要望はとても多いです。受け止めてもらうことで「なんだかすっきりしたわ」と思っていただけると安心しますね。
高橋:ぜひ気軽にご利用してほしいです。今後はオンライン相談の導入も検討しており、遠方にお住いの方や、あまり外出できないけれど、できるだけ顔を突き合わせて相談したいという方などのニーズにも応えていきたいと考えています。北海道女性の活躍支援センターは、あらゆる女性の悩みに寄り添う「よろず相談屋」のような場所でありたいといつも思っています。
ーー高橋さん、繁富さん、ありがとうございました。
ちょっとしたことでも、もやもやした話を聞いてもらえるのは本当に助かりますね。本施設への相談を通して、女性起業家のメンターさんにもアドバイスをいただけるとのことなので、そういった方にもぜひご利用いただきたいですね。これを読んでいる皆さんも、まずは気軽に相談してみるのはいかがでしょうか。
もやもやを一人で抱えている時、勇気を出して人に聞いてもらえることでホッとすることがありますよね。そんな時「電話をかけてみようかな」と、皆さんがふと思い出せる場所であってほしいと感じました。何かあった時にすぐに頼れて、ありのままの気持ちを受け止めてもらえる場所があると思うと、それだけで少し気持ちが楽になりますね。
漠然とした思いから、起業など具体的な相談まで幅広く聞いてくれる窓口は珍しいので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
▽女性の活躍支援センター
https://l-north.jp/consultationroom/
<取材に応じてくれた方>
■Woman's Plaza 北海道立女性プラザ指定管理者 公益財団法人北海道女性協会
主事 高橋 裕美 さん
■一般社団法人 North-Woman
JBIA認定IM (インキュベーションマネージャー)代表理事/スマイルクリエーター
繁富 奈津子 さん
文|川口ゆり
※掲載の内容は取材時(2021年6月21日)の情報に基づきます。
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