2023.10.29
暮らす道内で相次ぐ、クマの出没、深刻な被害。
HBCでは、クマの専門家や、クマ対策に関心のある大学生、札幌市に協力いただき、「クマとまちづくり」を考えるプロジェクトを始めました。
まず試みたのは、「草刈り」の効果を可視化すること。
前編の事前調査につづき、この記事では、草刈り当日の様子と、気づきをお伝えします。
連載「クマさん、ここまでよ」
2022年度からスタートした「クマとまちづくり」プロジェクトには、酪農学園大学の佐藤喜和(さとう・よしかず)教授や、クマ対策に関心のある学生、そして札幌市が協力してくれています。学生は、北海学園大学、酪農学園大学、北海道大学大学院から参加してくれました。
訪れたのは、札幌市南区真駒内。南町7丁目の町内会が、公園で草刈りを予定していると聞き、プロジェクトのメンバーで、その効果を調べたいとお願いすると、快く受け入れてくれました。
町内会は、草刈りを開催する理由について、「子どもたちが遊びに来るのに、安全な場所でないと遊べない。10年前にここでブランコに乗っていた子どもたちがすぐそこでクマを見て」と教えてくれました。
この公園では、2012年、小学生が、この笹やぶにいるクマを目撃しているのです。
持ち込んだのは、クマの等身大パネル。
鼻先からお尻まで130センチ、足もとから肩まで、およそ90センチ。
住宅地でよく目撃される平均的な若いオスのクマの大きさです。
このクマを公園内の笹やぶの中に置き、どのくらい公園に近づくまで見えないか確かめると、場所によっては5メートル・10メートルの距離まで見えないことがわかりました。
クマと人がお互いに気づかずに近づき、ばったり出会うと、事故につながります。