2023.11.01
深める晴花さんは大阪出身。子どもの頃は、自分の家庭環境が「なんでふつうじゃないんだろう」と気にしていたといいます。
当時の晴花さんにとって「ふつうの家庭」とは、「父親は20歳くらい年上のサラリーマンで、母親は家で家事をしている」家庭でした。
一方、晴花さんと父親は45歳年が離れていて、ネジなどを作る工場を営んでいました。母親は工場の経理を担当していて、夏休みには1歳年上の兄と一緒に工場を手伝うのが定番の過ごし方。
「ふつうじゃない」と感じたことは、中学生のとき、学校に行かなかった頃にもありました。「いじめまでいかないけど、やんちゃな学校だったので、行きづらいなと思った」時期があったそう。
そのとき、家族から「学校に行け」と言われなかったそう。それも、当時は「ふつうと違う」と気にしたといいます。
ただ、今思うと、「ふつうじゃなくてよかった」といいます。
昼になっても学校に行かず、家にいる晴花さんに、母親は嫌な顔をせず、「お昼どうする?」と自然と聞いてきたそう。面と向かって「学校には行かなくてもいい」と言われた記憶はありませんが、頭ごなしに否定されなかったことで、「自分では整理できない気持ちに、焦らなくていいと言われているような気がした」といいます。
月日が経つにつれ、「ふつうってあり得ない」ということに気がついていきます。「人と比べがちだったけど、大人になってからそれが個性だったと気づきました。ふつうじゃない親だったから、私の選択肢も広がったのかなって」