【網走】地域の人たちとともに防災を学ぼうと、網走小と同小学校運営協議会の「防災学校」が同小開かれ、児童や住民らが、災害時の対応や心得を学んだ。
児童のほか保護者や地域住民、網走幼稚園と若葉幼稚園の園児など、約350人が参加した。
全校児童の避難訓練を行った後、地震や津波の体験、避難所運営や救護、火災時に出る煙など、学年別に分かれて学習した。
3年生の地震・津波体験では、網走地方気象台の職員が児童玄関前に細長い水槽を持ち込み、津波とはどういうものかを実演した。
気象台の職員は「風が吹いて起きるのが波、海全体が動くのが津波」と説明した上で、ブロアで風を起こすと、水面のピンポン玉は風で動くが、底に沈んだおはじきは動かず。
次に、細長い水槽の一端で底を持ち上げると、津波が発生。海面のピンポン玉はもちろん、底に沈んだおはじきも動き、風による波との違いがはっきり。児童も「動いてる!」と驚いていた。
実演では、津波の発生時にいわれる「引き波」「押し波」の違いも見てもらった。
同気象台の職員は「津波は、地震があった時に海の底で起こります。波とは違うので、津波が来る前に逃げてください」と話すと、児童は「はい!」と応えていた。
火災時の煙体験は、煙を充満させたテントの中を通り抜けるというもの。
日中とはいえ、煙の充満したテントの中は視界がほとんど真っ白。体に害のない煙だが、児童はみなタオルで口を押さえながらテントから出てくると「何も見えなかった」「どこから出るのか分からなかった」と、口々に話していた。
このほか、避難所で使われる段ボールベッドの組み立て、車いすに乗った人や目の不自由な人の介助なども体験。警察車両や消防車両の見学もあり、児童も地域住民も、幅広く防災を学ぶ1日となった。
この防災学校は、保護者や地域住民と学校などでつくる学校運営協議会の中で出た意見を元に2021年から行っており、今年で3年目になる。
それまでの避難訓練に加え、災害時には学校が避難所になることから、地域も加わった総合的な防災訓練が必要との観点から、関係機関にも協力を依頼。今回も市や消防、警察、気象台、北電ネットワーク、市社協など、幅広い団体から協力を得て行った。
胆振東部地震から5年。道内各地の今や、これからの防災に関する情報は、Sitakkeの特集「秋冬のじぶんごと防災」でお伝えしています。