2023.10.10
深めるHBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。
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新しいお店が、次から次へとオープンする一方、長く続いているお店があります。
北海道で50年以上続くお店にスポットをあて、愛されている理由を探るコーナー「ザ・ロングセラー愛されるにはワケがある」。
今回、注目するのは、釧路名物の「炉端焼き」発祥のお店。
一度、火事で店舗が燃えてしまいましたが、再びオープンを果たします。
失いかけた72年間の歴史の裏にあったもの。それは、店主や客の思いでした。
炭火で焼かれる新鮮な魚介類。
囲炉裏の前に熟練の職人が座り、焼き加減を見極めます。
焼き台を取り囲むように配置された客席では、焼き立ての魚介類をつまみに、お酒を楽しむ客がいっぱい。
「囲炉裏の端」で食べることから「炉端焼き」と言われています。
ここは、釧路名物「炉端焼き」の発祥といわれるお店です。
住所:北海道 釧路市 栄町3-1
電話番号:0154-22-6636
営業時間:午後5時~午後11時
定休日:不定休
火事で焼けてしまった店内を改装し、常連客を招いて、営業を再開。
約1年ぶりに賑わいが戻りました。
現在、釧路では炉端焼きのお店は50軒ほど。
市内には職人が焼く昔ながらのお店の他に、海のそばの岸壁でコンロを並べて、自ら焼くスタイルも…。
そんな中でも、「炉ばた」が最も歴史が古いとされています。
今年で創業72年の老舗です。
囲炉裏の上には道東で水揚げされた「銀だら」や「ほたて」…
中でも、愛され続けているロングセラーが…「ホッケ」です。
お店では羅臼産のホッケを提供。
大きくて脂のりが良く、やわらかく、厚みがあります。
そう語るのは、2代目焼き手の中島静子さん。
約20年前に、初代焼き手「みつさん」から受け継ぎ、お客さんからは「炉ばたのおばちゃん」と呼ばれ親しまれています。
静子さんが焼くホッケは、皮がパリッと香ばしく、身はとってもジューシー!
静子さんとともに、開店準備をするのは、孫の中島実亜(なかじま・みあ)さん。
去年、先代の女将だった母親から店を引き継ぎ4代目の女将となりました。
実亜さんは「小さい頃から店に出入りして、第二の家。釧路の大切な食文化を今後も長く続けていきたいというのが強い」と言います。
釧路の「炉ばた」が誕生したきっかけは、宮城県にありました。
初代の女将で創業者、島川元子さんが、仙台市にある「元祖炉ばた」というお店を訪れた時でした。
お酒や野菜を囲炉裏で温めて提供する様子に感動!
そこで、仙台市の炉端焼きを参考に、1951年、釧路で「炉ばた」を開業。
炭火の絶妙な焼き加減と、今までにない提供スタイルが、たちまち話題を呼び、繁盛店となりました。
5年前にはミシュランガイド北海道2017にも掲載され、世界中に釧路の「炉ばた」の魅力が知れ渡り、料理はもちろん、昔、船番屋だった趣ある建物が海外の客をも引き付けました。
しかし、順風満帆に見えた炉ばたに…最大の危機が!