2023.09.18
暮らす「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
記録的な猛暑の夏もようやく落ち着いて季節が進み始めました。
ただし、秋は大雨の季節です。前線や台風の影響で大量の雨が降って、北海道も何度も洪水被害に見舞われています。
そこで、今回は、風水害から命を守るために知っておきたい用語の解説をランダムに、最新の事情を反映した解説をしていきたいと思います。
ニュースなどでよく耳にしますよね。
用語のくわしい説明の前にこれだけ覚えてください。
「レベル5を待たずにレベル4のうちに逃げる!」
・・・では、本題です。
大雨に関するニュースや天気予報の中で、「警戒レベル〇」という言葉を見聞きすることがあると思います。このレベルは、大雨による災害発生の危険度と言い換えてもよいでしょう。この警戒レベルは、気象庁からの情報をもとに、市町村が発表(実際に発表されるのはレベル3以上)するもので、この情報を受け取った住民はレベルに応じた避難行動が必要です。
主にテレビやラジオで報道されるのは「レベル3」からです。
「レベル3」は「高齢者等避難」と言い換えられます。危険な場所にお住まいの方の中で、ご高齢の方や体を動かすのが不自由な方は、この段階で避難を始めるようにします。
「レベル4」は「全員避難」。昔は「避難勧告」と「避難指示」と2種類の避難情報がありましたが、違いが分かりにくいなどの声があり、「避難勧告」は廃止され、いまではこの「レベル4」が「避難指示」と同じことを意味しています。危険な場所にいる人は全員、このレベル4のうちに、危険な場所から離れて安全な場所にいるようにします。
「レベル5」は「緊急安全確保」です。この段階ではすでに川があふれて道路が冠水していたり、土砂災害が発生していたり、または、そういった災害がまさに起ころうとしている切迫した状況です。この段階では、避難所へ移動するため外に出ること自体が危険な状況です。“緊急”に、いまいる場所でどうやって命を守ることができるのかを考えて、行動します。家の中でも、浸水から逃れるためできるだけ上の階に上がる、土砂災害から身を守るためできるだけ崖から離れた部屋に移動する、などの行動をおすすめします。
以上、風水害から命を守るために知っておきたい用語の解説をご紹介しました。“近藤流の解説”ということで、それぞれの用語の定義をそのままコピペするのではなく、わかりやすさ優先のため、定義を多少アレンジして解説しています。
正確な定義を知りたい方は気象庁HPなどで直にご覧になることをおすすめします。
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文:HBCウェザーセンター・近藤肇(こんどう・はじめ)気象予報士
→X(旧:Twitter)@hajimenokondo
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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