2023.09.16

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食べものが届かない!?カギはあの「空きスペース」…子ども食堂に寄せられる支援どうつなぐ

地域の子どもたちの「居場所」作りの役割も担っている「子ども食堂」。

その活動を支援しようと、物流業界に新たな動きです。

連載「じぶんごとニュース

「いただきまーす!」

大きな声が響くのは、札幌市西区にある子ども食堂です。

8月中旬、夏休み中の子どもたちがたくさん集まっていました。

子ども食堂の運営は、活動に賛同してくれる人や企業の寄付で成り立っています。

道内に300か所余りあるという子ども食堂ですが、いま、ある課題に直面しています。

食料は山積みなのに…広い北海道、どうやって子どもたちに届ける?

函館を拠点に子ども食堂への食料提供も行っている団体を訪ねてみました。

倉庫には、全国から届けられた食料が保管されていますが…。

担当者が頭を抱えているのは「どうやって届けるか」という問題です。

全国から送られた食料は貨物船やフェリーなどで主に函館や苫小牧に着きます。

しかし、そこからボランティアで札幌や旭川、帯広など道内各地に運ぶネットワークはまだでき上がっていません。

せっかくの支援が広く行き届かない場合も出てくるというのです。

北海道国際交流センターの池田誠事務局長は「なんとか札幌、旭川、帯広とか、そこまでいったら僕らの仲間に渡すことができるんですが…」と悩みを語ります。

解決のカギは「運送会社」売り上げにならなくても期待できる効果とは

そんな中、運送会社を訪ねたのは札幌地区トラック協会の顧問行政書士の佐々木ひとみさんです。

ボランティアで食料の配送をしてもらえないか交渉する目的です。

運送会社も「できる範囲でお手伝いをしていくというのは悪いことじゃない」と新たな支援に前向きです。

一般的に、トラックの運送では、行きは荷台は荷物でいっぱいですが、帰りはスペースに余裕があることが多いといいます。

この「空きスペース」を活用して、行った先の近くの拠点から別の拠点に支援物資を運ぶことはできないか、というものです。

トラックの荷台から荷物をおろせば帰りは「空きスペース」に…

ボランティアということで、運送会社にとって売り上げにはなりませんが、「別の効果」を期待しているといいます。

「社会的地位というものを、社長だけじゃなくて、業界のドライバーにどう感じてもらえるか。こういうところで少しでも貢献して、自負を持ってもらうことはいいことなのかもしれない」

子ども食堂を支援する、物流業界の新たな取り組みは、始まったばかりです。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年8月21日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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