2023.09.05

出かける

北海道でなぜ“ねぶた”?多くの市民に見守られながら…「ラッセーラ、ラッセーラ♪」【空知】

「ラッセーラー♪ラッセーラー...」

岩見沢の街中で元気な声が聞こえます。これは北海道教育大学岩見沢校の学生による「ねぶた祭」の掛け声です。

跳人(はねと)と呼ばれる踊り子

岩見沢ねぶたプロジェクトは、青森県出身の学生(当時)の呼びかけにより2018年よりスタート。

岩見沢では約20年前まで、岩見沢のお祭りのなかでねぶた運行が行われていました。当時、制作・運行していたのは、JR北海道の職員、そして北海道教育大学の学生でした。

学生たちの活動を見ていた市民から「岩見沢のねぶたを復活させてほしい」との声が…!

その声に応えるべく、市民に馴染みのなかったねぶた祭を知ってもらう活動や、市民と一緒にねぶた制作をしたりとたくさんの方を巻き込んで街全体を盛り上げていきました。

そして…2021年10月念願の岩見沢ねぶたが復活!

今年も、8月26日27日の2日間「岩見沢ねぶた祭」が開催されました。
来場者は2日間で、13500人。記録的猛暑の中、岩見沢ねぶた祭を一目見ようと多くの方が訪れました。

「跳ねなけりゃ、夏は終われない!」

多くの市民に見守られながら岩見沢の街中を「ねぶた」が運行します

「ラッセーラ、ラッセーラ…♪」

ねぶたプロジェクトメンバーの大きな声が、岩見沢の街に響き渡ります。

1日目のねぶた運行は約40分間。その間、太鼓や笛のお囃子とともに、跳人(はねと)と呼ばれる踊り子が跳ねます。
岩見沢の中心街を練り歩くねぶたの姿に来場者は圧巻されていました。

今年制作した松浦武四郎ねぶた。制作には約3カ月かけた力作。

今年運行したねぶたは9機。
そのうち今回制作した北海道の名付け親でもある「松浦武四郎」のねぶたは、横5.3メートル、縦1.7メートル、奥行き1.6メートルの大迫力の力作です。

当日のねぶた運行の目玉として、たくさんの人々を魅了しました。

実行委員長の中島聡一郎さん。自らも記録写真を撮影します。

「地元では夏休みが始まる日と同じ時期に伝統的な祭りがある。毎年わくわくしながら参加していた。
 岩見沢に来てそんな祭りをゼロから作るのが楽しそうだと思いました。」

話してくれたのは、岩見沢ねぶたプロジェクト実行委員会 3代目実行委員長の4年生中島聡一朗(なかしまそういちろう)さん。
和歌山県から北海道教育大学岩見沢校へ入学しました。
2020年の当時1年生から岩見沢ねぶたプロジェクトに参加し、3年生まで自身が得意である写真撮影を担当、広報活動なども兼任。
今年は実行委員長としてねぶたプロジェクトに関わりました。

「今回はじめて2日間ねぶたが岩見沢の街中を歩くので、どうにか晴れてほしいと思い毎日天気予報ばかり見ていました。だけど2日目は、ねぶたパレードの時間に歩くことも厳しい大雨が降ってしまった。結果、外でねぶたパレードはできませんでしたが、屋内施設にて多くの方の助けで、ねぶたフィナーレを迎えることができました。」

2日目は雨のため屋内でねぶたを披露。

「ねぶた祭が終わって、泣いている仲間が多かったのが印象的でした。それだけみんなが想いをかけてきたのだと思う。
終わって写真を見返すと…あぁ、また色々話したいな、そういう気持ちになりますね。」
と中島さんは振り返ります。

岩見沢ねぶたプロジェクト実行委員会 副実行委員長の3年生 岡田結(おかだゆい)さん
室蘭市出身で、小さなころから音楽に親しみがあり、絵を描くのが好きということで
北海道教育大学岩見沢校に入学しました。

ねぶた祭では、主に会場運営を担当しています。

今年、本場のねぶた祭を体験するためプロジェクトメンバー数人で青森県のねぶた祭に参加しました。
岡田さんもそのメンバーの1人です。実際に参加してみて、とにかく驚くことが多くたくさんの学びがありました。

「本場青森のねぶたは迫力があり、大きさがとにかく大きい。ねぶたのクオリティが違ってすごいなと思いました。外国人の方や、県外からもたくさんのお客さんが来ていて、とても賑わっていました。」

金魚ねぶた

「青森では、街の中にねぶたに関するものが置いてあったり、アーケードに飾られていたりと街全体がねぶた会場のようでした。
私は、会場担当なので岩見沢でも何かできないかと参考にしました。金魚の小さなねぶたを何個も制作し、会場のキッチンカーや、テントなどに飾ることにしました。」

ねぶた祭当日はあらゆる所に飾り、祭りを盛り上げました。

「自分だけじゃできないことがたくさんあって、みんなの力が集約され成功に繋がったねぶた祭だったと思う。学生だけではなく、地域の人、街の人などたくさんの人の協力がないとできないと思いました、みんなで力を合わせてねぶた祭ができたのが嬉しかったです。」と岡田さん。

岩見沢の夏の祭りとして定着してきた「岩見沢ねぶた祭」

来年もますますパワーアップして開催予定です。

写真:「岩見沢ねぶた祭」実行委員提供
文: akanu(あかぬ)
編集:Sitakke編集部・ナベ子(同じく生粋の空知っ子!)

<akanu(あかぬ)プロフィール>
北海道の空知(そらち)地方在住、生まれも育ちも空知!生粋の空知っ子です。
食べること・散歩することが好きで「何食べようかな…」と考えながらよく散歩しています。
他には犬が大好きで、見ているだけで幸せになります…!空知に住んでいるからこその「これが空知!」という発見や、空知で頑張っている方たちをそっと応援していきますInstagramも更新中!

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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