2023.09.05
暮らす「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。
「地球沸騰化の時代が来た」という言葉が話題になっています。
地球温暖化が深刻化して、より危険な状況になっていることへの警鐘を鳴らす意味を込めて、国連事務総長が訴えた言葉です。温暖化が進むと日本では何が起きるのか。異常気象の発生を防ぐために、私たちに何ができるでしょうか。
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EU=ヨーロッパ連合の気象情報機関が、7月の世界の平均気温は16.95℃で、観測史上最も暑い月になったと発表しました。海面水温の異常に高い状態が続いていることが要因と考えられています。
近年では、世界各地で経験したことのない暑さや大雨、熱波による山火事などが発生しており、国連事務総長が、「地球温暖化の時代は終わりました。地球沸騰化の時代が到来したのです」と警鐘を鳴らしたことがニュースになりました。
異常な気候変動に歯止めをかけるために、「1.5℃の約束」という取り組みがあります。100年前に比べ、地球の温度はすでに1.1℃上昇していて、異常気象の発生を防ぐためには、今後の温度上昇を0.4℃以内にしなければならないという意味で、HBCテレビ「今日ドキッ!」の天気コーナーでも放送しました。
このまま何も対策を取らなければ、20世紀末に比べ21世紀末には世界の平均気温は4℃ほど上昇すると考えられています。
もしもその最悪のシナリオになってしまうと、日本の年平均気温は約4.5℃上昇し、北海道でも35℃以上の猛暑日が増えそうです。
<災害の可能性が高くなる>
気温が高くなると雨雲のもとになる水蒸気の量も多くなるため、1時間に50ミリ以上(滝のような雨)の頻度は約2.3倍に増加し、災害の危険性が高くなります。
<流氷を見ることが難しくなる>
日本近海の平均海面水温は約3.58℃上昇。釧路沖では4.94℃も上昇します。海面水位は約0.71m上昇し、高潮などの危険性が高まります。また、オホーツク海の流氷の面積(3月)は約70%も減少し、北海道で流氷を見ることが難しくなるかもしれません。
<ドカ雪の頻度が増える>
日本の積雪および降雪量は約70%減少して、雪の季節が短くなる一方で、北海道の内陸では、10年に1度レベルのドカ雪の頻度が増えるおそれがあり、雪の降り方が極端になる可能性があります。
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わたしたちにもできることは、エネルギーを節約して、CO2などの温室効果ガスの排出を減らすことです。
冷房や暖房を使う前に、服装を工夫する。マイバッグやマイボトルを持ち歩く。天気や気温の予報を見て買い物をし、フードロスを減らすなど、普段の生活からエコを取り入れていきましょう。
<PROFILE>
文・イラスト: HBCウェザーセンター 気象予報士 児玉晃
HBCテレビ「今日ドキッ!」の番組内でも独特(?)なイラストを使って天気をお伝えしています。HBCウェザーセンターのインスタグラムも開設!予報士のゆる~い日常も見られますよ。