今年6月、本町・丸井今井の裏通りに小さなおばんざい屋をひらいた杉本亜紀子さん。
函館に生まれ、高校卒業後に札幌へ。20代になって以降のおよそ20年間は、札幌のあらゆるジャンルの飲食店の現場を渡り歩いてきた。
「大箱の居酒屋で毎日朝からずっと鮮魚をさばいたり、焼鳥屋でひたすら串打ちをしたり、バーのカウンターでお酒をつくっていた時代もありました」
最終的にキャパ20人ほどのおばんざい屋の運営を任され、そこで客がついたことが独立開業への自信につながった。
「自分で店をやるならおばんざい屋と決めてました。料理に専念するような店じゃなく、お客さんが一人で来ても会話で楽しめる店にしたい。おばんざいなら仕込みに時間を使えば、店を開けてからはお客さんと話をする時間ができるので。自分自身、一人飲みが好きなので余計にそういう思いが強いかもしれません」
自他共に認める酒好き。それも一人で飲み歩くことをこよなく愛し、毎日店を終えてまっすぐ家に帰ることは皆無だ。
「これまでお酒がつないでくれた縁でいろんな人と出会うことができました。26年ぶりに函館に戻って、飲みに行かなきゃいけないお店がたくさんある(笑)。いまはそれが楽しみです」。
函館市生まれ。千代台町で生まれ育ち函館工業高校建築科を卒業後、服飾のデザインを学ぶべく札幌の専門学校へ。
社会に出てからはそのまま札幌に留まり、服屋やあらゆるジャンルの飲食店で働きながら経験を積む。
昨年の夏、26年ぶりに函館に戻り自身の店『おばんざい ぶらん』を開業。
【おばんざい ぶらん】
函館市本町32-9
0138-85-6320
***
『peeps hakodate』vol,116・「街と人と。」より
函館のローカルマガジン「peeps hakodate」から、選りすぐりの記事をお届けしています。
■【函館】検索しても見つからない小さな酒場。知られざる酒場めぐり「サケパブリック」」
■【函館】港のまちの片隅に生まれた塩辛酒場。知られざる酒場めぐり「小田島水産 塩辛バル」
道南の記事一覧:【道南のお気に入りを見つけたい】