2023.08.14

ゆるむ

【札幌】ゾウさんが「陣痛」赤ちゃんにもうすぐ会える!「全国初」の出産の意味とは

北海道で初めての赤ちゃんが、夏休み中にも誕生するかもしれません。

札幌市円山動物園で出産を控えるアジアゾウ、パールに 「陣痛」 の兆候らしき行動が見られています。

来園者も「元気に無事に産まれてくれればいい」とエールを送ります。

8月3日の札幌市円山動物園ゾウ舎

8月に入ったばかりの円山動物園。

ゾウが暮らす屋内施設は、8月2日から一時、閉鎖されていました。

赤ちゃんの出産が迫ってきているからです。

「親子がたわむれているところが見たい」
「元気な赤ちゃんを産んでね」
来園者からも期待がかかります。

8月1日のパール

妊娠中のパール。
ゾウ舎が閉まる1日前は、新鮮な木の枝や葉を夢中で食べ、いつもどおりの姿でした。

それが翌日、8月2日の昼すぎ、後ろの足を交差させたり、横たわったり、おなか周りをしっぽでたたいたりと、急に様子が変わったのだといいます。

陣痛の兆候と判断し、動物園はゾウ舎を閉鎖。

パールが安心して出産に臨めるよう準備を進めています。

ゾウの出産は、道内では初めて。

さらに、今回のゾウの出産は 全国的にも「初めて」 の特別な意味を持ちます。

これまでの全国の動物園での出産では、安全のため、一時的ですが足を鎖でつなぎ、コンクリートの上で、赤ちゃんを産み落とす様子がわかります。

名古屋市東山動植物園での出産の様子(2013年)足元の袋のようなものが赤ちゃん

一方、パールが出産するのは、ふだん私たちが見ている屋内施設の砂の上。

砂の上で自由に出産する予定のパール。お尻を向けているのは赤ちゃんのパパ「シーシュ」

親子のメスゾウが見守る中、出産する予定。
飼育員が手助けせず、より自然に近い形、 「ゾウのゾウによる出産」 を目指します。

一方で、産まれる赤ちゃんとパールを守るため、動物園としての備えも欠かしません。

そのために、全国に先駆けて取り組んできたのが、人間とゾウのエリアをしっかり分ける、 「準間接飼育」 です。

ゾウに協力してもらって、おり越しに健康管理を行い、ゾウと人、両方の安心・安全を守ります。


鼻に水を入れて「鼻うがい」菌などを調べる

飼育員の小林真也さんは、「出産のときにトラブルになったとき、破水しても分娩が始まらないとか、産道に胎児が引っかかってしまったときには、動きを制御して、介添えというか補助しないといけないので」と話します。

出産でトラブルになったときは直腸から赤ちゃんを押し戻すなど介助をする

飼育員との信頼関係ができている今、出産の「もしも」に備えた直腸周りの処置にもパールは動じません。

今、まさに出産が近づくパール。

3日も後ろ足を交差させるなど、陣痛の兆候とみられる行動も確認されているものの、多くの時間はゆったりと過ごせているため、動物園では、本格的な陣痛の前に起こる「前駆陣痛」ではないかとみています。

足を交差させるようなしぐさも

ただ、出産までもう少し時間がかかる見込みとなり、 8月9日からはゾウ舎屋内施設の閉鎖を解除

それでも 8月中には生まれる とみて、円山動物園では血液検査でのホルモン値の様子も見ながら、注意深く歴史的な赤ちゃん誕生を待っています。

▼出産間近の赤ちゃん、おなかの中での元気な様子はこちら

文:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年8月3日)の情報に基づき、9日のゾウ舎閉鎖解除の情報を追記しています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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