2023.08.10
食べる忙しい毎日に、ほっと一息、‟ごほうび糖分”を。
今回は、北海道で有名なあのケーキが乗った、豪華なパフェのご紹介です。
見た目や味のこだわりはもちろん、物価高の中で試行錯誤する企業の想いも詰まっていました。
連載「ごほうび糖分」
【この記事の内容】
・限定づくしの新商品!
・きっかけになった「1位」の記録と、企業の想い
・新千歳空港店だけの楽しみ方
住所:千歳市美々987 新千歳空港 国内線ターミナルビル 2F
営業時間:午前8時~午後8時(※カフェコーナーは木曜日のみ午後7時半まで)
定休日:なし
新千歳空港で観光客らが絶え間なく訪れる、北海道を代表する菓子店のひとつ「ルタオ」。
8月、”限定づくし”のパフェが登場しました。
・新千歳空港店だけでしか食べられない!
・8月いっぱいの提供!
・1日先着10食!
“限定づくし”のぜいたくなパフェです。
フランボワーズソースがかかったミルクソフトクリームに、道産イチゴがたっぷり。
さらに、ルタオの看板商品といえるチーズケーキ「ドゥーブルフロマージュ」が乗っています。
その下には真っ白な「ふわもこエスプーマ」。新千歳空港店らしく、「雲」をイメージした、ふわふわのムースです。
見た目の豪華さに、味わいながらゆっくり食べたいと思いますが…食べ始めると、スプーンが止まらない…。
ソフトクリームには、こだわって選び抜いた「十勝加藤牧場」のジャージー牛乳を使用。濃厚なのに、後味はすっきりしているのが特徴です。
濃厚なミルクと、甘酸っぱいイチゴ。すっきりした甘さだからこそ、「ドゥーブルフロマージュ」のおいしさを邪魔しません。
食べ進めると、下のほうからイチゴゼリーが現れます。
一番下には、薄いクレープ生地を焼いて細かくくだいた「フィアンティーヌ」が。
とろける「ドゥーブルフロマージュ」に、なめらかなソフトクリーム、サクサクの「フィアンティーヌ」。食感のちがいも楽しめます。
ボリュームたっぷりで満足感はあるのに、もうひとつ食べられそうなおいしさです…。
価格は1300円でプレミアム。この価格設定には、ある想いが込められています。
この道産イチゴがぜいたくに乗った新商品は8月限定ですが、以前からの通年メニューとして、ダイス上にカットしたイチゴを散らした「ムースフロマージュパルフェ」を販売しています。
この「ムースフロマージュパルフェ」が、「新千歳空港ソフト・アイスクリーム総選挙2023」の「個性派フレーバー部門」で、初めての第1位に輝きました。
この総選挙は毎年恒例となっていて、空港内の約30店舗が参加。ことしは4月から6月にかけて、「濃厚」「さっぱり」「個性派フレーバー」の3部門で投票を受け付けました。
ルタオにとって念願の初の1位ですが、平岡紘吉店長は、「高いのに1位になったことに意味がある」と話します。
ほかのエントリー商品は、300円台から400円台のソフトクリームが大半ですが、「ムースフロマージュパルフェ」は800円。
それでも食べたいと思わせ、実際に食べても価格に見合う満足感がある…今回の「1位」は、投票した人たちのそんな評価を表しています。
「1位」になったことを、お客さんにとっても楽しんでもらえる機会にしたいと、さらに“価値”を高めた限定メニューが、今回ご紹介した「プレミアムムースフロマージュパルフェ」です。こちらは1300円。
この価格帯での勝負を決めた理由には、物価高に立ち向かう気持ちがあります。
ルタオの菓子作りに欠かせない、チーズや卵の値上げ。電気代も上がり、維持費もかかります。
商品を値上げするか、価格はそのまま量を減らすか…多くの菓子メーカーが決断を迫られる中、ルタオ新千歳空港店では「やむを得ず価格を上げるのではなく、“価値”を上げたい」と考えたといいます。
こだわりのミルクソフトクリームに、イチゴゼリーと「フィアンティーヌ」で食感や味の変化をプラス。さらに「ドゥーブルフロマージュ」を乗せる。
「ルタオらしさ」を大切に作り上げた、ぜいたくな一品での「1位」。平岡さんは、「物価高に苦しむ同業他社にとっても、いい事例として受け止めてもらえるのでは」と話します。
新千歳空港店では、「ムースフロマージュパルフェ」「プレミアムムースフロマージュパルフェ」をはじめ、ここだけでしか味わえない季節ごとのイートインメニューや、持ち帰り用の菓子を販売しています。
道外からの観光客にとっては、小樽のルタオで買い物をしても、帰りに新千歳空港店にも寄りたくなるような店に。
さらに、地元の人にとっても、気軽に立ち寄りたい場所にしたいと話します。
「新千歳空港には映画館があって、服や菓子が買える店もたくさんあって、地元の人にとっては百貨店のような存在。コロナ禍で苦しい間も地元の人に支えてもらって、大切さを改めて認識しました」
新千歳空港全体の面白さを知ってもらい、「新しい価値を生み出し続けて、ついでではなく、目的地になる店にしたい」と話していました。
※掲載の内容は取材時(2023年8月)の情報に基づきます。