2023.07.31

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「上司ガチャ」を大胆改革!部下が上司を選ぶ会社 選ばれなかった上司はどうなるの?【札幌】

みなさんにも「どうしてもウマが合わない人」いませんか?

レバーを回すとカプセルが出てくる、いわゆる「ガチャ」のように、「出てくるものがランダムで、自分では選べない」ことに「●●ガチャ」というフレーズがよく使われます。

「親ガチャ」に、「隣人ガチャ」や「時代ガチャ」。

さらにSNSでは…

「上司ガチャ失敗になったら絶望しかない」

「上司ガチャ」、誰が上司になるかは自分で選べないことから、上司の当たりはずれについての投稿が相次いでいます。

そんな中、部下が上司を選べる会社が登場!

職場の新たな上下関係がみえてきました。

上司ガチャについて、全国の会社員に実態調査をした結果、8割以上の人が「はずれたと感じたことがある」と回答しました。

マチで聞いてみると…

30代
「部下を叱るのはいいけど、感情は入れない、否定しないことが一番大事」

40代
「上司との価値観の違いによって、恵まれている、恵まれてないっていうのが生まれるのはしょうがない。いつの時代もそうだと思う」

といった意見が。

上司ガチャの不満をなくそうと大胆な改革をした会社が、札幌市北区にある、建物の構造設計などを手掛ける「さくら構造」です。

およそ100人の社員が、部長にあたる「班長」のもと、それぞれの班に分かれて働いています。

年1回、部下が上司を選ぶ「上司選択制度」を、4年前から始めています。

きっかけは、上司とうまが合わないという理由で退職した社員の存在でした。

田中真一社長は、「『ミスマッチ』『運が悪い』そういうことで、自分のキャリアがリセットされる感じになるのは、本当に悪いし、申し訳ない」とこれまでの苦悩を話します。

力を入れたのは、上司を選ぶ時の参考にする「マニュアル」作りです。

まず、上司が自分の長所や短所、各業務の得意、不得意などを〇×△で記入。

さらに、社長やほかの社員からの評価を加味した、いわば”上司の通信簿”です。

これを全社員に配付します。

社員はどんな上司を選ぶのか?

田中社長は「おそらく上司の好き嫌いよりも、自分の技術を磨いていくとか、成長していくってことを考えて、そういったことがしやすい上司を選ぶ傾向がある」と分析します。

部下の門田さん(左)と上司の山本さん(右)

上司の山本さんは「選ばれなかったらどうしようというのもあるけど、会社的にいいこと」と受け止めています。

一方、部下の門田さんは、最初は戸惑ったといいます。

「混乱したというか、組織に個人が合わせるっていうのが普通だと思うんですけど、自分のキャリアとかに合わせて上司を自由に選べるっていうのは、個人だけのことを考えたらありがたいと思う」と話していました。

また2人とも、この制度で生まれた「チームワーク」に大きなメリットを感じています。

上司の山本さんは、「自分のできないところを知って入ってくれたメンバーなので、そこをメンバーたちが補ってくれる効果があって、よかった」

部下の門田さんは、「人の弱いところもちゃんと受け入れて、何か自分の強いところで補える、補うっていう考えが自然と定着した」と手ごたえを話してくれました。

実際に、上司選択制度を始めてから、会社を辞める人が大幅に減ったということです。

田中社長はその理由について、「自分で環境を選んでいる、上司を選んでるわけですから、少なくとも半分は選んだ人の責任も出てくるので。『じぶんごと』になったというか、責任感を持って仕事に取り組めるようになってきた感じはする」としています。

ちなみに…、部下に選ばれなかった上司はどうなるのか?

実際に、この会社でも制度開始から2回、1人の部下からも選ばれなかった上司がいたそうです。

そのため、この上司のチーム自体は消滅しました。

会社に居づらくなるかと思いきや…安心してください、働いていますよ!

今は、社長直属の”部下”となり、管理職ではなく、営業や技術系の現場の仕事に携わっているんだそうです。

社長曰く「上司の時より、いきいきしている」そうです。
   
働き方が多様化する中、上司と部下の関係も大きく変わっていきそうですね。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年7月19日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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