2023.08.05

食べる

【函館】26年、愛してやまない酒のアテ「紅茶de煮豚」90年代に生まれたあの店のロングセラー。⑤

『木下酒店』の紅茶de煮豚 since 1997

富岡町1丁目7-8。これまで2度移転している『BAR 木下酒店』の最初の店舗があった住所だ。

この住所で検索すると周囲には一般住宅しかないことがわかる。近場で目立つ建物といえば北海道電力の施設くらいで、飲食店を構える場所ではない。

その一角にあった貸事務所で1997(平成9)年9月にオープンした同店は、飲食店の風情からは遠く離れた独特の自宅感や秘密基地っぽさが次第に噂を呼び、90年代後半の函館において知られざる存在となった。

開業して間もない頃の木下さんと店内と様子。

「そんな場所にある他人の家みたいなところをわざわざ見つけてくるくらいだから、当時のお客さんは変わった人ばかりでしたよ(笑)」と振り返る店主の木下博喜さん。そこで5年営業したのち、宮前町の古本屋跡の物件に移転して13年営業。その後、2014年に現在地へ移った。

そんな26年もの間、多くの常連客が愛してやまない酒のアテが、この紅茶で煮込んだ煮豚。「もし作り方を知りたければ全部教えますので、遠慮なく言ってください」(木下さん)

『紅茶de煮豚』(500円)

紅茶は銘柄に特にこだわらず、豚肩ロースを紅茶で30~40分しっかり煮る。その後、火からおろしてニンニク酢醤油に漬け込んで味を染み込ませる。
この漬け込み時間は客の好みに応じて変えており、中には「今日は漬け込み何日目?」と注文前に聞いてくる常連客もいるとか。

【BAR 木下酒店】

函館市梁川町21-15
090-9436-4690

***
『peeps hakodate』vol,115・「90年代に生まれたあの店のロングセラー。」より

peeps hakodate

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